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長襦袢から羽織へ/仕立て直し例⑤
こんにちは
日本の着物仕立て処 ❋ 菊瓢 です
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「 和裁は我が国必須の英知の結晶。」
私は古より連綿と受け継がれてきた美しい着物を形にする技術【和裁】を慣用にする活動に力を入れています。
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🍀今日は長襦袢から羽織へ仕立て直した例をご紹介いたします。
仕立て直し例をマガジンでまとめています⭕️↓
◯長襦袢から羽織の仕立てはあり得るのか?
Q:そもそも長襦袢→→羽織への仕立て替えは一般的なのでしょうか?
▷あまり聞かない事例だと思います。
羽織にするためにどんな素材を選べるか?
それはお客様の感性にもよりますが、どんな素材でも羽織にできるとも言えず、ご要望がある場合、まずは和裁士へご相談されるのが最善の選択です。諦めてしまう前にお気持ちを伝えてくださいね♩
◯羽織への仕立て替えは簡単ではない?
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後ろ姿
羽織への仕立て替えは一見簡単そうに見えますが今回は一味違います。
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前姿
お袖は無双袖と言って二重になっているため、羽織に仕立て替えるための布は、凡その場合そこから捻出できると考えられます。
しかし写真をご覧ください。
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袖裏分は色が違うことがはっきりと分かる
今回の長襦袢は袖裏が洒落仕様になっていたため、袖裏の布は全く違う色感のものが採用されていました。
⚠️この事から袖裏は使用できないと判断できます。(※仕立て直しの際は差し色として違う色の布を当てがうことはありますが、今回の目的とは異なるので選択できません)
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左右で色が違う
そして、長襦袢の竪衿布は左右で色が違うためそのまま羽織の衿として使用することはできません。
この事実を踏まえると、羽織への仕立て替えを断念していまう方もおられるかもしれませんが、我が国の和裁の知恵を使えば不可能に見えることも可能になったります^^
◯裁断・縫製へ
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お客様から完成のイメージをお聞きした後は、いよいよ裁断・縫製です。
今回は急ぎでお預かりしたこともあり、早急にお届けするために全力を尽くす。
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別日で羽織紐もご要望いただきましたので、長短2対のお仕立てをさせていただきました^^
◯完成/お客様からの感想
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羽織に完成した姿です。
左右対称の縦ぼかし柄で品よく仕上がりました。
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長襦袢の時とは袖の柄付けを替えました。
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——最高に可愛い🩷
ありがとうございました
単衣の羽織って便利ですね!
帯付き姿が好きで羽織後回しにしてましたが、ハマりそうです😆
ありがとうございます❣️
出会いに本当に感謝ですー!!
いつか直接お礼を申し上げに伺いたいです😘
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どんな目的でどんな仕立てを選択するか。
選択肢が多すぎて迷ってしまい、決行に移すことができないこともあるかと思います。
この世に永遠に変わらないものは一つもない。
いつか必ず朽ちてしまうなら、生きている間に幾度となく着用し愛でられ着物に育てた末に、共に生涯を終えたいと思う。
お手入れをして仕立て替え最後まで使い切る。布の生涯をも共に歩めるのも和服の良いところでしょう。
この度は貴重なご縁をいただきまして誠に有難う御座いました。
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日本の着物仕立て処❋ 菊瓢では和服に関する様々なご相談を承っております。ご試着も可能ですのでお気軽にメッセージをお寄せくださいませ。
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