
Nava Ratri~Vedaの暮らし実践編~
2024年は10月3日~12日までがNava Ratriでした。Nava Ratriとは「Nava(9)Ratri(夜)」という意味で、Vedaにおける創造のエネルギーであり、全宇宙の母でもある女神に対して祈りを捧げる期間です。9日間それぞれに対象となる女神があり、毎晩その対象となる女神に祈りを捧げるプジャを行います。
そのほかにも、この期間中、Vedaの文化に沿って生活する人たちは、女神への敬意、信仰をあらわすような生活スタイルで過ごします。
今回は、私も厳格なものではありませんが、できる範囲でそのスタイルで生活を送ってみましたので「どのような生活スタイルだったか?」「やってみてどうだったか?」ということをレポートしたいと思います。
NavaRatri中に守ること
NavaRatriに限らず、Veda文化においては、神に祈りを捧げるOR自分自身の浄化や成長のために「Vrat(ヴラタ)」といって誓いを立てるということを行います。このように書くとかなり宗教チックですが、何か願いをかなえるために「○○断ち」みたいなことをするのと同じような意味合いです。今回私が「Nava Ratri中に行うとよい」と教えてもらったVratは以下の3つです。
食事制限
1つめが食事制限です。Nava RatriのVratにおいて、最も理想的なのは液体(水、ミルク、フルーツジュース、ハーブティなどカフェインのないもの)のみを摂取する制限方法だそうです。ただし、社会生活を送りながらこの制限はかなり至難の業、、
ということで、今回はフルーツデイを実践することにしました。
(詳細については後ほど)
プージャ&ジャパ
2つめがプージャやジャパを行うことです。
プージャとはざっくりいうと「祈りの時間」。ジャパは、数珠をつかってカウントしながらマントラを唱えることです。それ以外にもヴェーダや神様に関するお話を聞いたりしたりするのもよいと教わりました。
(仏教でいう朝のおつとめや説法のようなイメージをしてもらうとよいかと思います。)
私は、毎朝オンラインで参加しているプージャとマントラジャパを集中して丁寧に行うことを心がけました。
Niyamaの実践
3つめにヨーガ哲学で「するべきこと」として扱われる「Niyama(ニヤマ)」を実践することもよいと教わりました。Niyamaは全部で5つあるのですが、その中でも「ブラフマチャリア」という性的なコントロールをするということが特に大切だそうです。
食事制限について
私は期間中、先ほど挙げた3つについて、自分のできる範囲で守るようこころがけましたが、今回は、お読みいただいているみなさんにも身近でお伝えしやすい「食事制限」について、詳しくレポートしようと思います。
期間中の食事内容
制限期間中、私が食べたものは以下の内容です。
水、牛乳、ヨーグルト、フルーツ、ドライフルーツ、ナッツ、アボカド
Veda文化における「フルーツデイ」の概念は、米や麦を含む7つの穀類や香りや刺激の強いものなどがNGとされるので、実際はもう少し食べられるものはあるようなのですが、せっかくやるのであれば、なるべくシンプルにやりたいと思い、上記のものだけを摂ることにしました。
3食のメニューと量
【朝】
朝はもともと食べる習慣がなく、コーヒーだけを飲む生活なので、その置き換えで牛乳かヨーグルト。
【昼】
フルーツ。3種類くらい
【夜】
フルーツ(2~3種)と岩塩かブラックペッパーで味付けしたアボカド。
【間食】
牛乳かヨーグルトかドライフルーツやナッツ
量の目安として、実際食べていた食事内容をご紹介します(いずれも夜)


お昼も同じような感じでアボカドなし、フルーツ気持ち多めといった内容でした。なるべく、バナナもあえてカットしたり、きちんと盛り付けたりして、それほど多くない量でも満足感がでるように工夫しました。
その他気をつけたこと
「フルーツ✖乳製品」の食べ合わせは、アーユルヴェーダにおいてあまりよくないとされています。日常では、それほど量を食べるわけではないので、あまり気にせずフルーツヨーグルトやミックスジュースなども楽しんでいますが(←むしろ結構好き!)、今回は、フルーツと乳製品を同タイミングで摂ることはなるべく避けるようにしました。
感想
ここでは、食事制限をしている間の感想について「体(消化力をはじめとする体の状態)」と「心(食欲をはじめとする心の状態)」についてレポートしたいと思います。
体編
体質としてそこまで消化力がいつも強いわけではなく、たくさん量を食べる生活もしていないので、お腹が減って減ってつらい、、、ということは特にありませんでした。
ただ、フルーツも乳製品も性質的に体を冷やすものが多かったり、乳製品に関しては冷たい状態のものを摂ることがほとんどなので、途中冷えを感じやすくなった気はします。(期間中急に秋が訪れ、気温がグッと下がったというのもあるかもしれませんが、、)
あとは、いつもたくさん食べないとはいえ、期間中はより種類も量も制限されている状態になるので、単純に痩せました(←人から言われるくらい)。いいなぁと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、40歳を過ぎると、哀しいかな顔から痩せるようになるのと、痩せることによって少し乾燥感もあったので、ちょっと「ヤバい」と思う感覚もあり、、複雑な気持ちでした。
----ここからは余談----
まず、この食事制限は、ダイエット目的ではないという前置きをしつつ、、
とはいえ「食べながら、体重をある一定期間内に落としたい」というニーズには、体質ややり方(実施期間など)を工夫すれば、この方法は活かせるのでは?と感じました。
制限解除後の自分の体調の変化や、体重も戻り方を観察して、うまくアレンジできそうであれば、またきちんとダイエット法としての活用法をご紹介したいと思います。
心編
個人的にはこちらの方が試練でした。
特に2日目が大変で、普段は目につかないお菓子類がやたらと目についたり、挙句の果てにはすれ違う人が食べ歩きしているものに目が釘付けになったり、、(汗)
「食欲って怖いなぁ、、」と痛感しました。
が、3日目以降はなれてきたのか「こういう期間なんだ」と腑に落ちたのか、食欲が静かになり淡々と過ごすことができました。
特に、朝のプージャやマントラジャパの時間の集中力が高かった日や、アーユルヴェーダの仕事の日などに、食欲の静けさを感じることが多かった気がします。
アーユルヴェーダでは、
「生命とは肉体・感覚器官・精神・魂が結合し、支えあったものである」
と定義しているのですが、この定義の理解が、自分自身の中で深まったような気がします。
つまり、プージャやアーユルヴェーダの智慧に触れることで、精神や魂がきちんと栄養を受け取ることができていれば、肉体の栄養(食べ物)が少なくても、生命は満たされていたのだと思います。
反対にストレスフルな日、心がカサカサするような日は、肉体(食べ物)で生命を満たそうとするので、食欲のコントロールが難しかった気がします。そして、食事制限を終えて期間中を振り返ってみると、自然からの恵みをなるべくシンプルな形でいただくという食事のスタイルは、思考や感情もシンプルにしてくれていたなぁと感じています。
まとめ
冒頭で「女神に祈りと信仰を」などと高尚なことを書きましたが、これまでのVedaの学びの中で、祈りや信仰の大切さやすばらしさ感じつつも、やはり私はごくごく世俗的な人間なので、今回の実践の動機は「Veda文化に沿った暮らしをしたら、どう変化するんだろう?!」という実験的な気持ちの方が大きかったです。
でも、やってみて心身が浄化されることを体感できたり、食べるものや食べ方が、私たちの体や心に大きく影響するということへの理解が深まったことはよかったと感じています。
次回のNava Ratriは春にあります。その時はどんな変化が感じられるのか?!(←半年後の自分にプレッシャーをかけてみる)楽しみです!

と決めていました!やっぱりお米は美味しい!沁みました、、
「食べたい時に、食べたいものが食べられる」環境、そして
「美味しいものが周りにあふれていて、それを食べたいと感じられる」
そんな人間らしい「欲」を楽しめることも嬉しいなと感じました
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