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バーテンダーししょーのエッセイ『ある日、突然店をやることになる』〜2003年2月頃。

『あんた店やってみる気がないかね?』

2003年の2月頃だと思う。正確にはいつだったか覚えていないが、ある日突然お袋に言われた。

当時、フリーターで『店をやりたい』という夢をあてもなく追いかけていた私は何の疑いもなく

「やりたい」

と、伝えると、
「知り合いの社長さんが店をやる人を探しているから、あんたやりたいなら行ってきなさい。」

と、言われた数日後には社長さんから電話がかかってきて、
「今すぐ〇〇というスナックに来なさい。」

初めて入ったスナックは22歳の私には、大人の匂いがしてドキドキした。
 
覚えているのは、お袋の勤めていたスナックのママと社長、もう1人女性がいたであろうか。

座るやいなや、世間話もそこそこに、社長は既に借りてあったテナントの鍵を私に渡した。

こんな初めて会った若造に、いきなり鍵なんて渡して良いのだろうか?と疑問を抱きながらも、思いがけない展開に嬉しさがあった。

社長には、『ピアノを置いた店をやりたい』と、それだけ伝えたのは覚えている。

とりあえず見てきなさい、と言う感じで私を促した。

翌日、ワクワクしながら、そのテナントへ向かった・・・


続く

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