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夏と冬、結露の雑学

夏のコップ、冬の窓。どうして季節で場所が変わるの?


結露の基本

【空気と湿度の関係】

  • 水に溶ける砂糖のように、空気には水分が溶け込んでいる

  • 空気に溶け込んだ水分の割合を表しているのが『湿度』

【温度と湿度の関係】

  • 空気の温度によって、溶け込める水分量が変わる

  • 温度が高いほど多くの水分が溶け込める

  • だから、『室温が高いほど湿度が高くなりやすい』

 結露はこれらの性質が影響して、温かい空気が何らかの原因によって冷やされることで発生します。

夏の結露

 夏によくある結露は、冷蔵庫や冷凍庫などの中から取り出した、冷やされた物の周囲で起こります。

 例えば、冷たい麦茶を注いだコップやグラス、冷蔵庫で冷やした缶ビールやペットボトル、アイスや冷凍食品の包装紙の表面などで発生しやすいです。

 では、なぜ結露が起こるのでしょうか?

 答えは、部屋の空気に比べて、冷蔵庫から取り出した飲み物などが圧倒的に冷たいからです。

 夏の結露は、冷やされた飲み物などの周辺で空気が冷やされることで発生するのです。

 例えば、冷たい飲み物を注いだグラスの表面では以下のようなことが起こっています。

  1. 冷たいグラスの周りで空気が冷やされる。

  2. 空気の温度が下がると、空気に溶け込める水分の容量が小さくなる。

  3. 空気に溶け込めなくなった余分な水分が、水滴となってグラス表面に張り付く。

 冷たい物を求めがちな暑い夏だからこそ、その周囲で結露が発生してしまうということですね。

冬の結露

 冬の結露は、暖かい部屋の窓の内側に起こりやすいです。
 そのメカニズムは以下の通りです。

  1. 部屋の窓は、寒い外の空気によって冷やされている

  2. 暖房をつけることで室内の空気が温められる

  3. 暖かい飲み物や呼吸などにより、室内が加湿される

  4. 暖房によって温められ、いい感じに加湿された空気が、冷たい窓に触れて再び冷やされる

  5. 冷やされて空気に溶け込めなくなった余分な水分が、水滴となって窓の表面に張り付く。

 冬の結露は、寒さを解消させるために室内を温めることで発生してしまうということですね。

 ちなみに窓の外側では、外の冷たい空気が温められるので、逆に水分が空気に溶け込みやすい環境になっています。
 なので、窓の外側では、むしろ水分は蒸発しやすくなり、結露が起こりにくくなっているんです。だから、結露は部屋の内側でしか起こらないんですね。

暑い夏と寒い冬、だからこそ結露が起きやすい

 冷蔵庫によって冷やされた飲み物や食べ物と湿度の高い部屋、
暖房によって温められた部屋の空気と冷たい窓

 夏と冬では、大きな温度差が発生しやすい場所が全く違います。
 そして、結露は大きな温度差のある場所で発生するものです。

 だから、結露が起こりやすい場所も変わってくるのです。


 以上で、今回の雑学記事は終わりです。
 ここまでお読みいただいてありがとうございました。