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古典派時代の音楽についてのメモ
古典派時代(1750年~1820年)
バロック時代(1600年~1750年)とロマン派時代(1820年~1920年)の間に位置する時代区分。その双方と正反対とも言える性質も持っている。
バロック時代:音のデコレーション⇔ 古典派時代:シンプルで形式的
ロマン派時代:型破りもOK⇔ 古典派時代:形式美こそ至高
古典派時代を代表する音楽家はウィーン古典派と呼ばれる『モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン』の3人。全員が全てのジャンルで傑作を残した作曲家でもある。
古典派という言葉には「正当、模範的な」という意味があり、ラテン語のclassicに由来する。
音楽の特徴は形式を重視する傾向があり、特に交響曲に用いられるソナタ形式が発展、成熟した。
楽譜の出版が盛んになり、より作品が世界に広まりやすくなった。
<この時期に起こったヨーロパのイベント>
フランス革命(1789年~1799年):この革命をきっかけにして、ヨーロッパの各地で市民革命や独立運動が広まった。
産業革命(1760年~1840年):中流階級である市民の中から資本を持ったブルジョアジー(中産階級)が生まれる。経済的な余裕の生まれた彼らから、音楽の需要が大衆へと広がっていった。
ちなみに、ざっくりと言えばバッハの亡くなった1750年~ベートーヴェンの亡くなった1720年ごろまでが音楽の古典派時代。
古典派音楽の特徴
シンプルで分かりやすい:少ない音で素晴らしい音楽。聞き取りやすい。
洗練された様式美:ソナタ形式を多用。
後世のお手本となるようなジャンルの誕生:交響曲、協奏曲、弦楽四重奏
用語解説
〇ソナタ形式:提示部、展開部、再現部からなる楽曲の形式。交響曲の第一楽章で多用されるようになった。
〇交響曲:オーケストラのために書かれた楽曲。
〇協奏曲:独奏楽器とオーケストラの対話形式の楽曲。
<おすすめ動画>
代表的な音楽家
モーツァルト(1756年~1791年)『フィガロの結婚』
神童と呼ばれ、幼少期より注目された音楽家。ところが、雇い主との折り合いが上手く行かず、フリーランス的な働き方を余儀なくされた。それでもたくさん稼いだが、戦争のあおりを受けて借金もしている。その生涯は短命で35歳の若さで亡くなっている。
ハイドン(1732年~1809年)『交響曲第45番ー告別』
交響曲を100曲以上も作曲。交響曲の父と呼ばれる。楽曲の中にはユニークな逸話や仕掛けが施されているものもある。温厚で几帳面、ユニークで人に好かれるタイプだが、結婚には失敗している。
ベートーヴェン(1770年~1827年)『エリーゼのために』
不憫だが情熱的な音楽家。持病の難聴が悪化し絶望するが、音楽への情熱が勝り、作曲を続ける。交響曲の完成度がとても高く、後世で活躍した多くの作曲家からお手本にされた。
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<感想的なサムシング>
ヨーロッパの情勢と絡めると、ちょうど王族・貴族から民衆へ文化が広まっていく過渡期であり、ロマン派の音楽家の人生と比較すると面白い。
また、モーツァルトやベートーヴェンの残した楽曲は、今でもTV番組などのBGMとして使用されている。
次回は神童モーツァルトについて話したい。それではまた。
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