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心拍変動とストレス指標

私達の心臓はドックンドックンと動いているが、このリズムは一定というわけではない。心臓のリズムには多少のゆらぎがあり、このゆらぎを数値化したものが心拍変動と呼ばれるものになる。

心拍変動はいくつかの指標で示されるが、その中でも代表的なものにLF/HFがある。LFは低周波成分で交感神経の指標となり、HFは高周波成分で副交感神経の指標となるものである。この比率を求めることで、ストレス状態を把握できるのではないかと考えられてきたが、今回取り上げる論文は新たな指標について論じたもの。

LF / HF比のあいまいさの解決: HRV による精神的および身体的ストレスの分類のためのLF - HF散布図
Resolving ambiguities in the LF/HF ratio: LF-HF scatter plots for the categorization of mental and physical stress from HRV

この論文によると、

・LF/HFは個人差が大きく、ストレスの指標としての有効性は疑問視されている。

・心理的ストレスでは、交感神経系の活動が増加し、副交感神経系の活動が減少する傾向がある。

・それに対して身体的ストレスでは、交感神経系の活動が増加する。

・その為LFとHFの2つで二次元プロットすることでよりストレスを提示できる。

とのこと。具体的には以下の図を参照。

論文 Figure7を参考に筆者作成

Q: LF/HFを1次元で示した指標も知りたい

明日目を通す論文:
LF/HF 比は心臓の交感神経と迷走神経のバランスを正確に測定するものではありません
The LF/HF ratio does not accurately measure cardiac sympatho-vagal balance

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