怒りのメカニズム:その心理的要因と脳機能的要因
怒りというのは取り扱いに難しい。特に歳を取ってくると怒りはダイレクトに体調に響いてくる。子供が言うことをきかなくてプリプリしていると、あからさまに風邪を引きやすくなる感じがある。
今回取り上げる論文は、怒りのメカニズムについて認知的要因と脳機能的要因について論じたもの。
A systematic review of neural, cognitive, and clinical studies of anger and aggression
怒りと攻撃性の神経研究、認知研究、臨床研究の系統的レビュー
この論文によると、怒りの原因となる心理的要因としては、
・衝動性
・注意障害
・認知コントロールの障害
・感情調整不全
があり、様々な結果を引き起こすことが論じられている。
ちなみにこの注意障害というのは、怒りの引き金になるような刺激に必要以上に注意してしまう特性のことで、怒り傾向が高い人は心理学的検査でも怒り刺激に過剰に注意を払うことが示されている。
また怒りに関わる脳機能の関係としては、以下の図に示す関係が示されている。
この図式を説明すると、怒りを引き起こす情報は視覚野のある後頭葉に伝えられ、その情報は腹内側前頭前野と扁桃体に伝えられる。
扁桃体は、ある情報を怒り情報として認識し、それを前頭葉に伝え、具体的な怒りに関連する行動(攻撃行動など)を引きおこす。
しかし腹内側前頭前野は怒りのコントロールに関わっており、この領域が働くことで、怒りの反応を抑制できることが示されている
Q: 怒りをコントロールする方法にはどのようなものがあるのか?
明日読む論文:
大人のための怒りの治療法:メタ分析的レビュー。
Anger treatment for adults: A meta-analytic review.
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