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仕事にしてもプライベートにしても、あまりにわかりやすい話というのは信用しないようにしている。この世界の仕組みはそんなに単純じゃないと思っているからだ。

とはいえ、人間はわかりやすい話を好む生き物である。例えば骨相学というものがある。

これは頭蓋骨の形が別ればその人の性格がわかるもので、前頭部が出っ張っていれば、その人の性格は〇〇、といったものだ。200年ほど前に一斉を風靡し、明治時代に日本にも伝えられている。

骨相学:wikipedia

実は、この骨相学のコンセプトそのものは完全に的外れではなく、実際に脳の働きを調べてみれば、後頭部は視覚に、前頭前野は知性にといったある程度の領域特化性があるには、ある。

では、骨の大きさではなく脳の大きさを見れば、ある程度性格がわかるのだろうか。

ある研究では、116名の成人の脳をfMRIで測定し、性格傾向検査(ビッグファイブ測定;外向性、誠実性、協調性、神経症的傾向、開放性を図るもの)との関連を調べている。

結果として、図に示すように、それぞれの性格特徴は、実際その機能と関連する脳領域の大きさと関係したという結果が示されている。例えば、協調性であれば社会的認知に関わる脳領域が大きい、といった具合である。

結果だけ見れば、たしかにそうかなと思うが、しかし話としてあまりにわかりやすく、やすやすと信じる気にはなれない。明日以降、この知見について批判的に見た論文もあたっていこうかと思う。

【参考文献】

DeYoung, C. G., Hirsh, J. B., Shane, M. S., Papademetris, X., Rajeevan, N., & Gray, J. R. (2010). Testing predictions from personality neuroscience: Brain structure and the big five. Psychological Science, 21(6), 820-828. https://doi.org/10.1177/0956797610370159

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