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ひとりで楽しい。お風呂の時間
私にとってお風呂の時間とは、勉強をしたり本を読んだり、映画を観たりと、風呂につかりながら何か好きなことをする時間である。だから基本的に長風呂である。家族が全員お風呂をすませた後、平気で2時間は入っている。大抵は深夜である。
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私の本棚については以前noteに書いたが、私がその本棚に保存する本の約3分の1は、風呂の中で読んだことがある本である。だから水にふやけて本はゴワゴワに膨れている。あまりに酷いものは、1ページずつていねいにアイロンをかけたこともある(アイロンをかけるといくらかましになる)。本はよく乾かしてから本棚へしまうこと。しみの原因になる。
私は好きな映画を何十回と観るが、同じ本を2~3度は読んでいる。とくにお気に入りの本や”腹おち”していない、まだ自分の中で十分消化できていない本は、それ以上に何度も読んでいる。内容の詳細を忘れてしまうからということもある。
最近はあまりないが、風呂の中でよく勉強をした。とくに暗記しなければならないものは最適である。あらかじめ、耐水性の紙を使用した小さなノートや単語帳へ、耐水性のペンで書き込んだものを湯船につかりながらめくるのである。夏の暑い時期より寒い季節の方が浴槽内での勉強ははかどる。
スマホが防水になってからは、ジップ式の透明ナイロン袋がなくても風呂場にスマホを持ち込んで、ひとり映画館である。観たい映画が見つからないときはYoutubeやインスタを観るが、うっかりショート動画を見始めると、見た後で記憶からきれいさっぱり消え去るような動画を延々と見てしまい深夜になっていることがよくある。
最近は、風呂の中でnoteを書くことも多い。23時や深夜1時頃に書いたようなものは大抵、風呂の中で書いている。
ひらめきは、いつもトイレで―という話を聞いたことがあるが、私の場合は風呂の中でひらめくことが多い。実際は湯船につかっている時よりも、頭からシャワーを浴びている時決まって、なぜか唐突にアイデアが浮かぶ。なぜかは分からない。独りきりになって雑音が消え、意識が集中するからだろうか。人と話しているような時には、むしろ最高のアイデアは浮かばないのだ。
私にとってお風呂は独りきりになれる場所である。のはずだったのだが、それがこの頃しばしば危ぶまれている。突然勢いよく風呂場のドアが解放されたかと思うと家族の顔が容赦なくのぞき込んでくる。冷たい脱衣所の空気とともに「寝てない!?」家族によって、ひとり静かな時間は強制終了されてしまう。風呂場で寝落ちなど、もちろん当たり前にあるわけで、長風呂過ぎて立ち上がった瞬間に眩暈がするなんて普通。ウトウトしてスマホを湯船にチャポンや読んでいる本がうっかりずぶ濡れはまだしも、湯船に鼻まで浸かり苦しくなって目が覚めたということもある。学生時代の一人暮らしの部屋でもよくそんなことをしていた。家族ができても、いまだに変わっていないのだ。