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父親のおかげで、阪神ファンになった。そして泣いた。

「#想像していなかった未来」

ある日、本当に突然父親が「甲子園行かないか?」の一言。
野球にほぼ関心のないし、これといった趣味もなかった当時の自分。
野球のルールは父親がずっとテレビで日常的に野球を観ていた影響である程度は分かる。ただ、自分も一緒に観ようと思ったことはない。

「急に何言ってんの?」とは思いつつ、「まあ1回くらいは経験として、、、」なんて軽い気持ちで甲子園に向かったのは、「2017年9月9日

まさかこの日、この場所で涙を流すことになるとは、、、

座席は「レフト外野席」。甲子園に行ったことがある人ならわかると思うが、とにかく人が多くて座席が狭い。正直はじめは最悪だった。

「なんでこんな場所でわざわざ観ないといけないの」。

これが座席についての第一声だ。

しかも、人と話すが苦手な自分。隣のおっちゃんが何かと話しかけてくる。
なんて返せばよいかとっさには分からず何とも言えない空気が流れる。
正直、野球観戦以前の話で「不安」だった。

ただ、球場飯は確かに上手い。最高の味だった。
「甲子園カレー」は特に絶品だ。

そして、日が傾きだした18時プレイボールがかかった。
ただ、試合はなかなか動かない。1‐1のロースコアで7回表が終了。

それまでは唯一の楽しみでもあったジェット風船飛ばし。
黄色の風船が甲子園の空を覆う姿は確かに圧巻だった。

最近はこの風船飛ばしが甲子園では行われていないのが非常に残念だ。

それでもなお試合は1‐1のまま。
22時を回り、「長すぎる。帰りたい。」
そう思った。

でも、周りのファンは誰一人帰っていない。
もちろん父親も帰る気は一切ない。

すると、12回ウラ2アウト満塁。
周りのファンの歓声、雰囲気で尋常じゃない事態が起こっていると分かった。確かに、満塁のチャンスだ。チャンスなのは分かる。
それでも、感じる異様な空気感。

あとから分かった話なのだが、この試合の前日に通算2000安打を達成した鳥谷選手が打席に立ったからだ。
当時はルールを知っているとはいえ、選手は全く知らなかった。

すると、「やったーーー!!!」の大歓声。
そう、阪神がサヨナラ勝ちをしたのだ。

すると、自然と「ポロ、、ポロ、、、」
涙が出てきた。

応援しているわけでもない。どの選手も知らない。

でも自然と涙が出てきた。感動なきなどほぼしない自分が。
「これが野球なのか。阪神タイガースなのか。」

六甲おろしを歌っている父親をはじめとした阪神ファンの姿を見ると、一体感が尋常じゃなかった。

4時間半近くこの瞬間まで興味にないものを座って観ていたのにも関わらず、帰りの電車の中では疲れがなかった。

そして思った。「また甲子園でこの感動を味わいたい

これが僕の阪神ファンになったきっかけです。

今では自分が友人を甲子園に行こうと誘う立場になっている。
そして、今年の7月28日の「阪神×中日戦」。
阪神が再びサヨナラ勝利を収めた。

その友人はそれ以降、野球観戦にドハマりし、阪神戦はチケットが取れなかったらしいが、夏の甲子園に3日間観戦に行ったらしい。

阪神そして、鳥谷ありがとう。
そして、自分の最高の趣味を引き出してくれた父親ありがとう。






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