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ポリバスの危険な経年劣化

ポリバスの危険な経年劣化①
「ヘアクラックが起こる」

ポリバスには、クラックが起こりやすくなっています。
こうしたポリバスのひび割れのことをクラックといい、バスタブの表面が無数にひび割れたときは「ヘアクラック」と呼ぶこともあります。

このヘアクラックが起こる原因には、急な温度変化が関係しています。
バスタブ内に熱い湯を張っていくとき、「自動お湯張り機能」が付いた浴室では、スイッチを押せば自動で湯を張ってくれます。
「間もなくお風呂が沸きます」というアナウンスがあるまで待てばいいだけです。
ただ、湯が張られるのを待つ間、バスタブ内ではヘアクラックの原因となる現象が起きているのです。

例えば、温度が0℃の空間に置かれたバスタブに、5分間かけて4℃のお湯を張ったとしましょう。
その5分間で、バスタブには1トンから2トンの圧力がかかるのです。
そうなれば、ポリバスは変形しやすい素材のため、熱と圧力が加わることで膨張してしまいます(目には見えません)。

ゴムが左右にギューッと伸びた状態をイメージしてもらえれば分かりやすいでしょう。
私たちが熱い湯のなかで入浴しているあいだ、ポリバスは圧力と熱膨張で伸び切っています。

入浴が終わると、バスタブから4℃の湯を抜くので、バスタブ内の温度は一気に下がっていきます。
そうなれば、ポリバスは温度低下に伴って縮まろうとします。
そのとき、膨張したときに伸びた部分は、元の表面積のなかに収まることができません。
そして、表面積に収まらなかった部分がヘアクラックとなって現れるわけです。

ヘアクラックは最初うっすらと割れ目がつく程度ですが、時間が経つと、ある日突然大きな割れ目となります。
その割れ目は最初1センチ程度でも、1週間もすれば10センチ、20センチと大きくなっていきます。
傷みだせばあっという間に劣化するため、割れ目はどんどん広がってしまうのです。
そうなったとき、補修用テープを貼ってなんとか割れ目を隠しているようなお宅は少なくありません。


ポリバスの危険な経年劣化②
「床がトランポリンのように柔らかくなる」

ポリバスの経年劣化で次に多いのが、床が膨らんでベコベコとした感触になることです。
以前は硬くて丈夫だったバスタブでも、素材自体の強度がなくなってしまうのです。
そうなったポリバスは、人に踏まれることに耐えるだけの力がなく、トランポリンのようになってしまいます。
体重の重い人が「このバスタブに入ると床がいきなりバリッと抜ける
んじゃないか」と恐怖を感じるほど、ベコベコと柔らかくなってしまうのです。
実際に、バスタブに人が乗った瞬間、陥没してしまった例もあります。
そうなれば、当然バスタブは使えなくなります。
また、バスタブに穴があいてしまうわけですから、 漏水する可能性もあります。


ポリバスの危険な経年劣化 ③
「黄ばみや汚れが落ちない」

ポリバスのバスタブは、色あせて黄ばむこともあります。
これは経年劣化によってバスタブに施されていたコーティング剤が剥がれたり、素材そのものが劣化することが原因です。
または入浴剤の着色料によって、バスタブが次第に変色した結果、という場合もあります。
ほかにも、気づかぬうちに溜めてしまった「水垢」や「石鹸カス」などの汚れが原因という場合もあります。
汚れが蓄積すると、黄ばみとして顕在化するのです。
そもそも、水垢や石鹸カスなどの汚れを徹底的に落とし切ることは難しいものです。
シャワーでさっと流したり洗剤を使って掃除したりすれば、見た目には「汚れが落ちた」と感じます。
ところが、バスタブには「目には見えない石鹸カスなどの汚れ」が付着して
いるのです。
ただ、アイボリーやブルーなどのカラーコーティングが施されているバスタ
ブでは、その汚れに気づきにくいでしょう。
そうなれば汚れがますます蓄積していきます。

汚れが蓄積した結果、バスタブにカビが生えてしまうこともあります。
体を洗ったときに出た皮脂が、カビの原因となるのです。
また、入浴した後洗わずに放置すると、皮脂が菌に付着して、その菌がポリバスの樹脂を破壊することもあります。



小林誠司 紹介VTR
(TV番組「密着ドキュメンタリー分岐点」より)


理想化研 サービス紹介VTR
(TV番組「密着ドキュメンタリー分岐点」より)


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