浴室内タイルの危険な経年劣化
タイルの危険な経年劣化①
「カビが生える」
タイルのバスフロアが劣化する最も多い原因としては、「カビが生えること」が挙げられます。
とは言っても、タイルの表面にカビが生えるわけではありません。
タイルをつなぎ合わせるセメントの部分(いわゆる目地部分)にカビが発生します。
目地部分に使われるセメントはザラザラとしていて引っ掛かりが多い分、皮脂や洗剤などが付着しやすいのです。
そのため、しっかり手入れしないと目地部分に汚れが残ったままとなります。
皮脂を好むカビは、汚れが付着したタイルの目地で増殖し続けて、白かった目地を真っ黒にするほど変色させるのです。
浴室内に持ち込まれたカビの元となる菌を一晩ぬるま湯に置いておくだけで、1日で10万にも増殖します。
ですから、追い焚きを続けるのは実は危険な行為です。
知らず知らずのうちに、カビを増殖させてしまうことも少なくあ
りません。
目地に入り込んだカビが何千、何万、何十万にも増殖すれば、どれだけ頑張って落とそうとしても、落ちません。
壁面にもタイルを使用している浴室がありますが、その場合も同じ理由
でカビが増殖し続けます。
タイルの危険な経年劣化②
「割れる」
タイルのバスフロアにおいて、カビの次に多い劣化の原因が「割れる」ことです。
タイルが割れる原因の一つは、タイルの焼き方にあります。
焼き方が甘い、安価のタイルをバスフロアに使うと、少しの力を加えただけでせんべいみたいにパリパリと割れてしまいます。
陶器をイメージしてもらえれば分かりやすいでしょう。
焼き方が甘いお茶碗は、金槌でカンっと軽く叩いただけで、ボロボロに割れてしまいます。
一方、しっかりと焼いているお茶碗であれば、同じことをしてもそうはなりません。
タイルも陶器と同じ「焼き物」ですから、しっかりと焼かれていれば少しの衝撃を加えても割れないのです。
また、タイルの割れは「乾燥」や「浮き」が原因のときもあります。
タイルのバスフロアの多くは、FRPで作った土台のうえに接着剤を用いて貼られています。
タイルをつなぎ合わせる目地部分の素材は「セメント」です。
しかし、セメントは水が染み込みやすいため、入浴中はタイルの目地から、土台に向かって水が侵入してくるのです。
その結果、「土台となるFRP」と「バスフロアのタイル」との間に水が入り込み、その間に強烈なヌメリが発生して、冷たく湿った状態になります。
入浴しているとき、タイルの下側はそのような冷たい状態でも、タイルの上側は湯が当たって温かい状態です。
タイルは、その「熱い」と「冷たい」という状態に挟まれることで劣化していきます。
また、季節による温度変化で、タイルは乾燥していき、割れやすくなってしまうのです。
陶器は保存状態が悪いと割れやすくなりますが、タイルもまた、保存状態が悪いと割れやすくなります。
タイルの下に侵入した水は、FRPとタイルを貼り合わせている強力な接着力を持つ「接着剤」をも破壊します。
そのため、接着剤の接着力がなくなって、タイルはFRPの土台から浮いた状態になります。
そこに人が乗れば、タイルで作られたバスフロアが跳ねるわけです。
その跳ねた衝撃で、タイルは割れてしまうことがあります。
しかも、そのタイルの割れが起こるのは突然です。
私がある方から聞いた話では、家族全員が寝静まった深夜に、「ミシミシミシ」「ピキピキピキ...」という音を立てながら割れてしまったそうです。
小林誠司 紹介VTR
(TV番組「密着ドキュメンタリー分岐点」より)
理想化研 サービス紹介VTR
(TV番組「密着ドキュメンタリー分岐点」より)
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