子育ての決定権は母ではなく子どもたち。【子育て反省会】
「ほうちょうでちょっきんしたい」
第一子ちびちーちゃんが2歳半を過ぎたころ、それまでのお料理のお手伝いでは物足らなくなったのか、包丁への興味を示した。
もともとちびちーちゃんは、食べることとお料理が大好きだ。
私がキッチンに立つと高い確率で踏み台を持ってきて隣で見ているし、実家に帰省してもばあばの料理する手元をじっと見つめ、日によってはレタスをちぎってサラダを作り、お皿に食べ物をよそうお手伝いをしたりする。
そんな姿を見ていたから、ばあばからの3歳のお誕生日のプレゼントは、子ども用の包丁をはじめとする本物のお料理セットをリクエストした。
いただいたプレゼントは、スリーコインズの子ども用の包丁とまな板。
ナチュラルなかんじで見た目もかわいい。包丁は普通に切れる。よく切れる。まじで切れる。
アイテムはそろったし、こんなにもお料理に興味を示しているんだから、とことん好きなだけお料理をしたらいい。
そう思っていた。
けど、しょっちゅう包丁で野菜などを切る大人の姿を見ていたといえど、3歳なりたての包丁さばきはおそろしい。
指を切らないようにガードが付属されていたけど、つけたがらないし、大人がリズム良くカットするイメージはついてるから、どんどん包丁をトントンしたがる。
「左手は猫の手」なんて言葉は3歳児に届かずに散った。
私はばあばとちびちーちゃんの姿を写真におさめていたんだけど、思わず、
「まだ難しいんじゃない?」
「あぶない!!!」
「ひいい!」
「こわいこわい!!!」
と声をかけすぎてしまった。
ばあばにサポートしてもらいながら、集中して一生懸命やってたのにね。とにかく外野の私がうるさすぎた。
ちびちーちゃんは、1本のきゅうりをカットし終えると、まったくやりたがらなくなってしまった。
やりたい気持ちが満足したのであればいいけれど、私が余計なことを言ったから気持ちが萎えてしまったのなら、私はなんてことをしてしまったのだろう。
その後、ちびちーちゃんはトイレでこんなことを言った。
「ママじゃない!ちーちゃんがきめるの!!!」
その言葉は、お風呂後の濡れた肌ではパンツを履きにくいだろうと思い「難しいだろうから、ママがやろうか?」と声をかけた返答だった。
はっとした。
私は子どものことをよくわかった気持ちになって、できること、できないことまで決めてしまっていた。
人のできること、できないことを決められるほど私は人として偉いのか?親だからって子どものできるできないまで決めるのか?
もちろん、ある程度のところで線引きは必要だとは思う。今回の包丁体験は多少の切り傷ができることを承知の上で、プレゼントしてるわけなのに私が外野でうるさいのはなんか違う。
子どもの可能性を親である私が閉ざしてしまわないように、と今一度思い直した出来事だった。
明日もいい1日になりますように。