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蝉(せみ) 【詩】【ポエム】68


私が 音を奏でるのは
夏に蝉がくようなものなのです

誰かに 命令された訳でもなく

生きている、って。
ここに居る、って。

「夏よ 終わらないで」って
過ぎる時間を止めようとしているんです

それが「叶わない」と わかっていても、です

啼き疲れて抜け殻になった私を見て
あなたは憐れに思うのでしょうか


わたしが楽器で歌う理由   それは

過ぎていく この瞬間は 
「無かったこと」には できないって事なのです
「削除」されたって、心には残ってる

そういうものでしょう?

意地悪な風で飛ばされないように 帽子をおさえ

目に入った汗が沁みる時は
目を閉じ 私の歌を 想い出してね。



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TSUMUGI
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