最後の頁 【詩】【ポエム】㉕
「これが私の気持ちです」
君が差し出した その物語は
子供の頃の愛読書だったという日焼けた本
ステンドグラスの小さな洋燈に肩を寄せ
古の書の紐を解く
お気に入りの頁が 自然に開く
君の想いが
「しおり」となって 挟まっているんだね
紅茶のカップが 遊園地みたいに回りだし
しばし 言葉と戯れる
美術館で聴いた
手回しオルゴールの音もしてきそうだ
夢見がちな褐色の瞳
そこに何が映ろうとも
僕は 君を守れるだろうか
あれから
また君に会う日が近づいているけれど
僕はまだ
最後の一頁が 読めずにいる
<後記>
晩秋となってまいりました。
ぐっと 寒くなる前に、秋のイメージで描いた詩をアップしたいと思います。
舞台のイメージは、神戸です。
女性からすると、男性に「守られたい」という感情があるのは、否めません。
もし、そうだとして、頼られる側の男性のほうは、プレッシャーを感じているのではないか…?
そう想像して、詩を書いてみました ♪
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