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日本はお盆 中国は鬼月 縁起が悪いとされる時期(記事28)

8月中旬、日本はお盆シーズンですね。
周知のとおり、日本のお盆は盂蘭盆(旧暦七月十五日に行われる仏教の行事)が元になっています。

中国では、旧暦七月十五日は中元節、別名「鬼節」と呼ばれています(中国の「鬼」は妖怪変化全般を指しますが、主に幽霊を意味します)。
もともと中国には「七月十五日は陰と陽が逆転する日」という考えがあり、陰界(あの世)に通じる日として先祖を祀る風習がありました。これは儒家の孝道を重視する思想が元になっています。
後に中国に伝来した仏教は、この日を盂蘭盆としました。それが日本に伝わって現在のお盆になりました。
しかし、中国ではそれほど仏教の行事が浸透していません。中国の鬼節(中元節)は道教における三元(上元、中元、下元)の思想が元になっています。
道教はとても柔軟な宗教で、中国で生まれた原始宗教や儒家の思想はもちろん、外来の仏教思想も取り入れて中国化させてきました。中国は基本的には無宗教の国ですが、根底では道教が広く浸透した国だと、私は思っています。

難しいことはともかく、中国では
旧暦七月十五日(今年は8月18日)は中元節(鬼節)
旧暦の七月いっぱい(今年は8月4日から9月2日)は「鬼月」
です。
そして、「鬼月」は縁起が悪いので行動に注意した方がいいといわれており、引っ越しや結婚を避ける家庭も多いです。
日本でも、私が子供の頃、お盆期間に海水浴に行くと水難事故に遭いやすい、と言われて怖くなったことがありました(実際にはお盆期間は泳ぎに行く人が増えるから、水難事故も増えるというだけのことだと思いますが)。鬼月の期間も同じような感覚かな、と思います。

今回の写真は重慶豊都県(丰都县)の鬼城です。1999年6月11日に訪れたのですが、残念ながら写真がほとんど残っていませんでした。

後ろの方に見える頭は道教の「玉皇大帝」です。
「陰司城楼」。「陰司」はあの世の政府機関です。
「鬼」です。特に解説することはありません。
死者が渡ると言われている「奈何橋」だと思います。

鬼城の写真はこれだけです。
オマケと言ったらお釈迦様に怒られそうですが、最後は仏教の写真です。

重慶大足石窟の涅槃像です。
1999年11月撮影


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サノマ(中国生活をつづったり、写真・画像を整理するノート)
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