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中国の音符 数字と五音(記事62)

中国の生活が当たり前になると、「ああ、そういえば日本ではこういうことって珍しいんだなあ」という逆の発見に出会うことがあります。
昨日、拝読した葉様の記事、「中国の楽譜は数字で表すらしい」がまさにそれでした。
(葉様、すみません、勝手に引用させていただきます)

日本にはカタカナがあるので、音符を読めない人は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」とカタカナで表記すると思います。私も小学生の頃は音楽の教科書にカタカナで「ド・レ・ミ」と書いていました。
でも、当然ながら中国にはカタカナがありません。
「哆・唻・咪・发・嗦・啦・西」といった漢字の表記方法もありますが、難しすぎます。
そこで、中国では数字を使ってドレミの音階を表します。
その方法はとても簡単で、
ドは1、レは2、ミは3…、シは7になります。
1オクターブ下の音は数字の下に「・」を置き、1オクターブ上なら数字の上に「・」を置きます。

例えば、
3345|5432|1123|3.22-|
3345|5432|1123|2.11-|
なんの曲かわかるでしょうか。とても有名な曲です。
(答えは最後に書きます)

さて、我が家は長女が小学一年生の時、学校で古筝(こそう・gǔ zhēng)を習いました。それを機に誕生日のプレゼントで購入したのがこちらです。

2000元程度、当時のレートで約3万円でした

娘はその後、ピアノを選んだため、今では少しホコリをかぶって飾り物になっていますが、私も娘と一緒に中国の伝統音楽に触れることができたのは収穫でした。

西洋音楽は7音ありますが、中国の伝統音楽はファとシが抜けて「五音」になります(日本の伝統音楽も中国に学んだので「五音」です)。
五音は漢字で
宫(ド)・商(レ)・角(ミ)・徵(ソ)・羽(ラ)
と書きます。
昔の人は漢字がぎっしり並んだ楽譜を使っていたのかもしれませんが、あまりにも難しすぎます。
今の中国では、古筝の楽譜では数字を使うのが一般的です(ピアノ等の楽譜は全世界共通の音符が使われています)。
例えば、中国で有名は童謡の楽譜はこんな感じです。

もう一つ、三国志関係の曲です。

数字の上のカギや斜線等の記号は、古筝を弾く時の指の使い方を意味します。親指で手前から向こうに弾くとか、人差し指で手前に弾く、とか…(私も詳しくは知りません)。

ちなみに古筝をよく見ると白い弦にまざって緑の弦が並んでいます。

緑の弦は「ソ」の音です。白い弦だけだと何が何やらわからなくなってしまうので、緑の弦で識別できるようになっています。


さて、上述した数字の曲の答えです。
曲名は『欢乐颂(huān lè sòng)』です。
日本では年末におなじみの、ベートーヴェン交響曲『第九・合唱』から「歓喜の歌」です。
3345|5432|1123|3.22-|
3345|5432|1123|2.11-|

どうでしょう。
日本語で「これは第九だ」と思いながら
「さんさんよんごー ごーよんさんにー いちいちにーさん さんっににー」
と口ずさんでみると、「ああ、ホントに第九だ」と感じてくると思います。
(中国語で「sān sān sì wǔ」と口ずさんでも、四声が邪魔してメロディーが分かりにくいです)

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サノマ(中国生活をつづったり、写真・画像を整理するノート)
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