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画数が一番多い漢字『康煕字典』(記事52)

『康煕字典』を使って画数が多い漢字を調べてみました。
『康煕字典』は清朝康煕帝の指示によって編集された字典で、約四万七千の漢字が収録されています。

さっそく索引で画数が多い漢字を探してみました。三十七画以上の字が並んでいます。

一番最後の漢字はこれです。

難しい字ですね。解説を見たところ、「簫」の異体字のようです。現代中国語の読み方は「簫」と同じで「xiao(一声)」です(「簫」は楽器の名称です)。

異体字はちょっと反則な気がするので、独立した漢字を探してみたところ、「雷」が四つ集まった字「䨻」が、一番画数の多い漢字に該当するようです。
(索引には「興」が四つ集まった文字がありましたが、『康煕字典』には「読み方は政と同じ」と書いているだけで、意味の解説がないので、飛ばしました)

「䨻」は、現代中国語では「beng(四声)」と読みます。日本語にすると「ボン」に近いです(「ベン」とは読みません)。
『康煕字典』の解説によると、「雷声(雷の音)」です。わかりやすい、というかそのままです。

「蜀語」とあるので、四川方面の言葉のようです。

「䨻」という字は52画ですが、これよりも画数が多くて中国ではとても有名な字があります。
56画の「𰻞」です。わかりにくいので拡大しました(拙筆、お恥ずかしいです)。

「biang(ニ声)」と読みます。日本語では「ビアン」です。
なぜこの漢字が有名かというと、陝西省に「ビアンビアン麺」という名物料理があるからです。薄くて幅が広い独特の麺です。今は「陝西名物」として中国各地で食べることができます。
「ビアン」というのは、麺を打つ時に発する音だと言われています。

この漢字も古くから伝わっているようですが、陝西省周辺限定で使われていたためか、正式な漢字とはみなされていなかったためか、『康煕字典』には収録されていません。

最後に『康煕字典』の宣伝です。
中華書局の『康煕字典』は約2000ページで定価98元(2000円程度)、とっても安いです。


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サノマ(中国生活をつづったり、写真・画像を整理するノート)
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