見出し画像

ゲキシネ「吉原御免状」で焦る

やったー!「三連休なのでたまにはママも1人でゆっくり楽しむ時間を過ごしても良いではないか、良いではないか」という風を存分に吹かしながらやっと観に行けたゲキシネ「吉原御免状」!

幸いなことに家族にもそれぞれの予定があり、1人でゆっくりお出かけできると喜んでいたところ、夫が
「どこの映画館に行くの?近くに〇〇〇〇のレストランあるよね!映画何時に終わるの?みんなで待ち合わせて一緒に夕ご飯を云々」と言い出したので、

「うるせぇな!ほっといてくれ!頼む!休みの日くらい!1人にしてくれ!誰にも邪魔されず外でビールぐらい飲ましてくれ!外で飲む昼ビールは美味いんだよ!そして映画の後はつっつん(堤真一さん)のことだけを考えさせてくれ!」

とは言えずに

「うーん、遅くなったら悪いから、食事はみんなで済ませておいてね♡」とやんわりと断った。夫婦でも言えないことはある、いや、言ってはいけないことだらけである。そして年々、言ってはいけないことが増えている気がする。

さて、今回はオトナの新感線。観劇や映画のお供の娘たちも連れて行かない。だってオトナの新感線だもんね。原作はすでに履修済みである。忠実に舞台化されていたらマズい箇所がけっこう、いやマジでかなりあるので若干ビビりながらの鑑賞となった。

原作の松永誠一郎は、剣の腕が立つ初心で涼やかな気持ちの良い25歳の好青年なんだが、実は小説だけでは誠一郎がなんでこんなにモテるのかいまひとつピンと来なかった。私が女性目線で読むからか、男臭くて血なまぐさい立ち回りでバッタバッタと敵をなぎ倒す松永誠一郎、出生の秘密に翻弄されながらも清々しく真っ直ぐに生きる松永誠一郎、山育ちで心優しく狼や熊も遊びに来るディズニープリンセスな松永誠一郎…確かにすごい、かっこいいんだけど、女にモテる決め手に欠けるのう…と思っていた。

だって女の人が好きなのは、今も昔もちょっと危険な悪い男ではないか。(※少なくとも私はそうです)

そうぼんやり疑問に思っていた私の前に現れた最適解、それが「松永誠一郎=堤真一」だった。一歩間違えたら素朴で誠実一辺倒のつまらない松永誠一郎になるところを、女を黙らせる悪ーい色気でもって「なんでこんなにモテるのか」という疑問に一瞬で答えてくれた。すみません、ガタガタ言ってすみませんでした、黙ります。

そして「柳生義仙=古田新太」も、原作の印象よりさらに肉厚でカロリー高めな狂犬の輪郭がくっきり見えて、まあ目が離せない、目で追っちゃう。松永誠一郎と対峙する場面は激しい殺陣でありながらなぜかお色気フェロモン大渋滞である。(女性目線です)

そして良く考えたら、「吉原御免状」出演者ほとんど全員、ちょっと危険な悪ーい風味の男ばかりではないか。藤村俊二さん、梶原善さん、橋本じゅんさん、そしてそしてなんてお美しい粟根まことさん…もはや2人の太夫に匹敵する男性演者さんたちの色香とオーラに完全に参ってしまった。

ゲキシネ観た後にもう一度原作をおさらいすると、三味線の音色に提灯の灯り、花魁や禿の華やかな衣裳を思い出しながら読み進められてとにかく楽しい。物語の合間に差し込まれる解説もよりわかりやすくなるし興味深い。そしてもう一度映像を観たくなる…という、原作⇔映像の無限ループに陥りそうである。

ただ、私の心の中のレーティングはPG12じゃなくてR‐18なんだよな…オトナの新感線、恐るべし。マジで恐るるべし。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集