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大竹伸朗展 東京国立近代美術館
大竹シンロー展オモシロイ、大竹シンロー楽しい、と複数の声を耳(SNS)にしたので行ってまいりました大竹伸朗展!
いやぁー確かにスゴく面白かったです。ただ、なんと言語化していいのか、難しいですね。
言ってみれば、コラ職人なのです。
言ってしまえば、ゴミを集めてアート作品を作ってると言ってもいいかもしれない。
掃き溜めに鶴、でなく、掃き溜めのカオスこそ美しい、みたいな感じ。
撮影オッケーなので、見てもらった方が早いでしょ。
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たとえば、岡本太郎の作品を見たら、「あっ、岡本太郎だ」、森村泰昌の作品みたら「森村さん、また変装してる」って分かるけど、大竹作品は、高校の文化祭とかに紛れていたら、たぶん分からない。
代表作は、スクラップブックシリーズですが、こんな感じで狂気しか感じない。こういうのが何十冊もあります。
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サブカル雑誌の「シックスサマナ」とかで出てくる狂気の変人たちのエロ本スクラップブックとどう違うのか?
この問いは、なんとも分からない(狂気かアートかの境界線)のだけど、大竹さんは武蔵美の油絵科を卒業して、文化庁のアート留学制度みたいなのでロンドンに行ってたりと、もちろん紆余曲折や超貧乏生活を送ったりもしたけど、きちんとした美術のレール(文脈)に乗ってるということはやっぱり大きいのだと思います。
狂ったように見えても目的がはっきりしているというんでしょうかね。大竹さんは「絵を描きたい」ってずっとやってきたそうです。これが絵かよ?って一見思いますが、そういう方向性が、見ている方にもなんとなく伝わって、共有できるのが、やっぱりアーティストとしての凄さなのだと思います。そうでないと「ゴミかよ」って思っちゅう。でも、大竹展は明らかにアートです。
何がアートとして、響くのかを考えたときに、ゴミを集めたら宝物になりましたってことではないんです。ゴミはゴミなりの、乾ききったガサガサ感や、ガムを踏んでしまったネットリ感、夜の羽虫のように惹きつけられる品なくギラギラしてる場末のネオン、穢らわしいって思いながらセックスやオナニーの快楽に耽るギトギト感、そんなあらゆる人間の営みに必須の、でも大して美しくないはずのものに、あまねく美を見出してるところが大竹さんはすごいって感じました。結局、すごいしか言っていないですね。