『絵が上手くなる5つの習慣』の感想&解説
イラストレーター焼まゆるさんの書籍レビューです。技法書ではなくイラスト活動の取り組み方について書かれた新しいタイプの本です。
◆基本情報
◆所感
本書は著者がイラスト講師の経験やYoutube活動による視聴者の反応から感じた、絵が上手くなる人とならない人の違いを元に書かれた本です。
絵が上手くなる人とならない人の違い、
それは練習や勉強ではなく、5つの習慣にあると著者はいいます。
プロ絵師はこの5つの習慣をあたり前にやっています。
しかし、「あたり前のこと」ゆえにYoutubeや書籍では習慣についての説明というのはほとんどなく、技法や練習法の解説ばかりです。
勉強熱心なのに絵が上達しない人は、この大前提となる「行動」や「考え方」を知らない可能性が高いそうです。
この記事では各習慣の詳細については言及しませんが、
ものごとを学ぶ上でかなり大事な考え方や気づきがあったので定期的に読み返したいと思っています。
以下、印象に残ったポイントまとめです。
◆ポイント
●「知ってる」と「できる」は違う
「描き方」を学んだからといって「同じ様に描ける」とは限らない。
実際に自分で使える知識は「深い知識」であり、学んだけど再現できない知識は「浅い知識」である。
実際に出力してみなければ、
それが「出来ること」なのか「出来ないこと」なのか判断すらできない。
だからインプットとアウトプットのバランスは1対1であるのが良い。
人間は自分が「わかっている」ところまでしか成長できない。
いわばインプットはレベルの上限解放であり、アウトプットはレベル上げである。
●「スランプ」と「スランプもどき」
スランプの原因の多くは自分への過度な期待にある。
絵の成長は時間がかかるものであり、何より新しいことに挑戦すれば、レベルは1に戻るのがあたり前であることを知っておく必要がある。
今まで描けなかったものに挑戦したのなら、完成品のクオリティは下がる。だけど実は本人のレベルはアップしている。
他人にはわからないかもしれないが、自分ではこの事を知っておかなければスランプと勘違いしてしまう。
「評価がつかない」もスランプと勘違いする原因の一つ。
SNSで自分の絵を評価する人というのは自分の友人や家族ではなく見知らぬ他人。しかもこちらから絵を見せに行くわけではなく、まず向こうの目に止まらなければならない。母数も大事。
そもそも絵は評価されにくいものだということを理解するべき。
単純に前回より出来が良ければ前回より評価がつくわけではない。
したがって自分が成長したかの確認は他人に依存する評価基準ではなく、「前まで描けなかったものが描けるようになった」「新しい技法を習得した」など、自分で完結できる基準のほうがよい。
●「勉強」より「5つの習慣」の方が先
勉強は「目的解決」「さらなる高みを目指す」ためにやるもの。
初心者ほど、先に5つの習慣を身につけるべき。
何故ならこれらはプロ絵師が「あたり前」にやっていることだから。
この順番を間違えてはいけない。
教材は使用する予定のある内容にしぼって利用する。
「いつか役立つ」と思ってインプットした内容は、その時が来た頃には内容を忘れてしまっている。(耳が痛い・・・)
●「時間は有限」であることを知る
勉強、練習は「〇〇が描けない」目的解決のためにやる。
「具体的に困っている」状態でなければ勉強も吸収効率が悪い。
結局、インプットとアウトプット両方やる方がトータルでは短期間で効率良く成長できる。
・インプットは「日常的」にする
※「勉強」のつもりでやると継続できない。「趣味」として毎日やる。
・アウトプットは「意識的」にする
※学んだことは早く実践して、「自分の技術」に昇華する。
私も頭でっかちで、「もしかしたら知らない内容もあるかもしれない」と超初心者講座から順番に受けたり、描く予定のない「男性キャラの描き方講座」まで受けたりと、遠回りな学習をしてきた記憶があります。
今年の目標は最低月1枚投稿です。
本書の習慣を毎作品で意識しながらレベルアップしていきたいと思います!