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「上手な授業」と「いい授業」はちがう

みなさんは、
授業の "お手本" を持っていますか?

「こんな授業をやりたい!」と思える
モデルになる先生がいますか?

チームティーチングで一緒に授業をしていて、
「うゎ、この先生上手いなー」
という授業があります。

また、研究授業を参観していて、
「お、いい授業だな」
とうれしくなる授業があります。

その時、
「上手な授業」と「いい授業」はちがいます。

では、何がちがうのでしょうか?

「上手な授業」と「いい授業」

「上手な授業」とは〝先生の評価〟
「いい授業」とは〝子どもの学びの評価〟
の視点です。

○ 上手な授業とは

「上手な授業」とは、先生に対する評価です。

「上手な授業」とは、
流れるように進む授業。
学習活動に子どもが乗っている(ように見える)授業と言えます。

導入から、子どもの活動、
片付け、そして最後にまとめをしてあいさつ。

見ていてソツがない。
的確な指示で、子どもも迷うことなく、動くことができる。

先生の指導技術を評価しているのが「上手な授業」です。

○ 「いい授業」とは

一方、「いい授業」とは、子どもが、頭を使って問題解決している授業のことです。

ちょっとチャレンジして、「できた!」を繰り返す授業のことです。

子どもが
「立ち止まった!」
「考えてる!」
「どちらか迷ってる!」
「おーそうきたかー」と、
子どもの考える姿を先生がワクワクしながら見ている授業が「いい授業」です。

私たち教師は、つい上手な授業、失敗しない授業に頭を使いがちです。

しかし、大切なのは、子どもが学ぶ「いい授業」であることは、言わずもがなです。

○ 「いい授業」の3つのポイント

では、子どもが頭をはたらかせてチャレンジする「いい授業」は、どうすればよいでしょうか。

ポイントは、3つ。

1つ目は、
ちょっとチャレンジすれば出来そうな、絶妙な難易度の課題。

2つ目は、
子どもの思考を導く手順、提示の順番。

3つ目は、
発達の道すじの、今、どこにいるかを把握し、次に何にチャレンジするか、が思い浮かぶ題材。

この3つがある授業は、参観していても、子どもの考える姿にワクワクしてきます。

指導している先生も、子どものチャレンジする姿を見ながら授業を進めています。

子どもができると心の中でガッツポーズをします。

できなくても、次のどうすればできるようになるか、アイデアを考え始めます。

「いい授業」では、ダメだったことに立ち止まっている暇はありません。

◯ 「気づかない」のがいい授業

どうすれば子どもがチャレンジできるか?
どの順番で提示すると、子どもは考えるか?
この題材で身につく力は何か?
常に思いがつながっていく。
そんな授業が「いい授業」です。

子どもが迷わず流れるような「上手な授業」は、子どもがチャレンジしなくてもできている授業です。

先生が評価される「上手な授業」より、子どもがチャレンジする授業こそ、子どものための「いい授業」と言えます。

「先生、授業が上手いですね」と言われたい気持ちもわかりますが、めざすのは、
気づかないうちに子どもがあたまを働かせている授業です。

「気づかないうちに」がミソです。

「さあ、考えましょう」や
「やってみましょう」と言わなくても、子どもが自然と動き出す仕掛けを工夫しましょう。

ワクワクしますね。

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