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川崎港海底トンネルをゆく(神奈川)

川崎港は大小さまざまな埋め立て地の集積なのですが、沿岸部の立地を生かした公園もいくつか整備されています。

そのうちのひとつ「ちどり公園」付近から伸びるあやしいトンネルの噂は、長らく人々の関心を煽り、知る人ぞ知る秘密スポットとなっていたのでした。自分もこの場所の存在を知ってから十数年になりますが、面倒くさくて 時間がとれず「行くところリスト」に埋もれたまま記憶からも抹消される始末。

しかし、このたび川崎探索を敢行することになり、ならば行ったるかと重い腰を上げ(最後まで迷ったあげく)決行することにしました。さてこの選択、吉と出るか、それとも……。


左上が川崎駅、右下がちどり公園。かなり距離があります。正直、気が進みません。©Google



川崎駅から千鳥公園付近まで路線バスで移動します。交通量も多く、トラック率高し!



バス停から公園まで徒歩で移動する。途中で目にする光景は、ダクトの張り巡らされたサイバーパンクな世界観。工場地帯に来たなぁと実感させてくれます😍



タンクも当たり前のようにあちこちに大量配置されています。



そうこうするうちに、公園の入口へ到着です。といいつつ周囲はメカメカしい。



敷地内を歩いていく。左側は延々と壁がつづいている。どうやら電力会社の土地らしい。



背伸びして壁の向こうを確認してみるが、雑木林がしか見えない。何に使ってんだ?



もっとも、発電施設は重要インフラだから厳重管理するのは納得できます。とはいえ、この塀は耐震性能だいじょうぶなんだろうか? 大きなお世話だけど😅



海底トンネルは2本あり、ひとつは自動車用、もうひとつが歩行者・自転車用です。「人道」というのは後者を指しています。



かなり歩いてきたけれど、ようやく入口へ到着か。



ご丁寧に案内標識も出ています。ん? 矢印の下に何か貼ってある。



!!!😱



MIND MIND MIND……怖えぇよ~、これから入るってのによぉ~😭



と、とりあえず、ここまで来たことだし、勇気を振り絞って先へ進みます。


音量注意!



どんだけ降りるんだ。水浸しの下り階段をとにかく先へ進みます。とにかく、いまのおれに選択肢はない。



ようやく下まで降り切ると、……目がバグってきた。床の「自転車は降りてください」の文字で、かろうじて自分がいま歩行者・自転車用の人道にいることを認識させてくれる。



この人道、おそらく利用者はほとんどいないと思う。とにかく人の気配がない。誰にも出会わない。途中で工事のおじちゃんとすれ違ったけど、これはレアケースなのよ。



入口から150mのところまでやってきました。出口(東扇島方面)まで845m。つまりこの人道は全長1km近くある。頭上には京浜運河が通っていますので、何かあった場合に備え、一定間隔ごとに非常電話が設置されています。いよいよの場合、この扉の向こう(人道と並行して走っている車道)に出ることもできますが、トラックがバンバン飛ばしている道路へ……いやあ、想像したくないっす。



とはいえ、こちらも安全ではない。ほんとに誰もいないのよ。ひとりで出口までダッシュするのもしんどいし、停電とかしたらマジで精神やられるわ。





後ろから抜いていった自転車。「自転車は降りてください」とアナウンスされているけれど、まあ降りないやね。1kmもあるし。



所々で目にする、こういうハンドルとかにわくわくする。



給水ポンプ? 制御盤がある。



一酸化炭素の検出装置もある。長いトンネルだから中毒も怖いよね。



突如現れたマンホール。この人道へ入ったあと、途中からおれの歩調が速くなっているんだ。無限地獄から早く抜け出たいというだけでなく、さっきから「キーキー」という金属音にも似た、これネズミの鳴き声じゃないかなぁという音が耳に入ってくるんだ。それがなんとも落ち着かない。



ああっ! よ、ようやく出口が見えてきた🤩



登れ! 一気に登れ!





ようやく、ダンジョン脱出。魔界からの生還です。おお、海の仲間たちの声よ、人々の営みよ。生きているって素晴らしい。



妙に韻を踏んでいるのが気になる。 🎵遊びつくそう 川崎港 Yeah boom boom cha, boom boom cha. 🎵



コンビナートをそのまま乗っけたような船も停泊している。工業地帯ならではだね。メチャメチャかっこいい。



さて、陽も陰ってきたことだし、そろそろおいとましますか。



帰りはふたたびあの人道を通る……わけもなく、近くのバス停を目指します。次のバスまで40分? 関係ないです。バス一択🥴