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【Zatsu】香りの世界へ行こう3
柳田愛美香というお店があります。
京都にあるお香のお店なんですが、ここの極上匂ひ線香という商品がたまらなく好きなんです。
むかしは通販でも見かけたんだけれど、当時もこのお店が直接やっていたわけではなく、たぶん卸先のショップが通販していたんだろうね。いまではネットで見かけることもなくなり、欲しければお店に行くしかない。
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6種類それぞれの香りをことばで表現するのは難しいけれど、無理やり例えるならこんな感じだと思います。
比叡の月:夕暮れのなか、豆腐屋のパープーというラッパ音を合図に友だちと別れて家に戻り、縁側から中に入るとだれもおらず、しんとした畳の間でご先祖の仏壇からただよってくるお香の香り。
三六峰の鐘:近所に引っ越してきたお兄ちゃんが見せてくれた、アジア各国を旅するなかで手に入れたという貴重な粉のエスニックな香り。
北山の木:小学生のころ田舎へ遊びにいったとき、おじいちゃんと一緒に寝ているときに感じた懐かしい香り。
鞍馬の火:初めて訪れた料亭で、2階へ通され、誰もいないなか落ち着かず緊張しながら待っていると、やがて一枚隔てた向こうから穏やかな声がかかり、スッとふすまが開くと同時に鼻腔に届いたほのかな香り。
加茂の水:このところ町内は、我が家に赤ちゃんが生まれたという話題で持ち切りで、ひっきりなしにやってくる来客に笑顔で対応するお母さんは大忙し。アタシが学校から帰ってくると、赤ん坊を寝かしつけたあとで布団の脇で横になりいっしょに眠っていた。かっぽう着姿の母の襟元から香る涼しげな香り。
嵐山の峰:ひそかに好きだった女の子と初めて二人だけで出かけて、目いっぱい遊んだんだけれど、特に何もなく1日が終わり、楽しかったんだからそれでいいじゃないかと自分に言い聞かせているときに、ずっと記憶の片隅に残っていたその子の香り
なんだか、途中から言いたいだけなカンジもします😁。
お香そのものを嗅いだ時と、焚いた時とでは香りが異なるのですが、極上匂ひ線香も例にもれず違いが顕著で、それがまた面白い。
むかしは「焚きこめる」といって、焚いたお香の煙を和服に移し、さりげなく香りをまとったとか。そういうのが粋でカッコイイと思うわ。あからさまな感じじゃないところがね。
気に入って焚いていたので手元の残数が減ってきている。まだ残っているけれど、これが尽きたら京都に買い出し旅行だな。