【Zatsu】香りの世界へ行こう11
画家が額縁にこだわるように───
あるいはシェフが食器にこだわるように───
香りスト(香りを嗜む人の意)が「香立て」にこだわることは、自明の理でありましょう。
お香を焚く際の香立てとしてスタンダードなのはプレートや香炉ですが、ちょっとかわったところだと、こんなものもあります。
真鍮製の牛。インドだと牛は神聖な動物ですから、祭事や儀式の道具としてよく登場するんです。
デザインが凝っていて、たぶん手作りなんでしょうね、非対称でいびつな形状がまたいい味だしています。背中から茎が伸びて、てっぺんにあるお皿は蓮の花びら……だと思います、たぶん。
金属製なのでずっしり重量もあり、うっかり床に落とすとたぶん壊れちゃう気がする。
大きく開けた口のなかには、歯が彫り込まれている。獅子舞をほうふつとさせるようなお茶目な表情。ここら辺に作者のこだわりを感じます。背中にはおおきな突起があります(インドのコブ牛の特徴らしい)。
底面はのっぺりしていて特徴がないんですが、デコボコしており手作り感あふれる仕上がり。これでこそ1点物、これでこそオンリーワン!
こんなかんじでインテリア要素が強めではありますが、それでもれっきとした香立てです。
とはいえ、決まった使い方はなくて、やりたいようにやればいいんですが、用途としてよく見るのは、皿にオイルを入れてランプにしたり、コーンタイプのお香を焚いたり、でしょうか。
深いほうの皿にオイルを入れ、ティッシュで作った芯を浸して火をつけると、こんな感じであっという間にランプになります。小さな皿にはコーンタイプのお香をセット。
部屋の明かりを落とし、座禅を組んで、目をつむる。
🎶ホワァホワァ~、ブーカブーカ🎵
インドの寺院で耳にする、あのバグパイプみたいな管楽器の音が聞こえてきそうです😄