反ワクチン活動家Sherri Tenpennyによる量子もつれの主張を支持する証拠はありません。
【和訳】
オステオパシー医のSherri Tenpennyが、COVID-19の流行、治療、緩和努力は、人々を殺すための世界政府の陰謀--「デモサイド」--或いは、人々を外部から制御する神を持たない遺伝子組み換えの「トランスヒューマン」に変える陰謀であると主張している話は真実でしょうか?いいえ、嘘です。オハイオ出身のこの物議を醸す整体師、マーケティング担当者、伝道師は、以前に論破された多くの誤った主張を繰り返し、量子物理学の一分野から借りてきた新しい流行語を反ワクチン情報辞書に導入しました--量子もつれです。物理学者達は、量子もつれがTenpennyの提案するような形で機能することはあり得ないと、一貫して否定しています。
→米国では、医師と言われて我々日本人が通常想起する資格とオステオパシー医という『整体屋に毛の生えたような資格』が対等に扱われますので、診療行為を行なうことが出来ます。
この主張は、X22レポートが2022年1月29日に公開した"Dr. Tenpenny & C Clark - The Vaccination Agenda Is Darker Than Anyone Could Imagine"(アーカイブはこちら)と題するビデオで放送されました。ビデオの冒頭は以下の通り:
→愛国者のまともな医者が医療話をする時の冒頭で、医療キットの営業かけるかよwww。これだけで守銭奴だと分かるでしょ?www
→これは、反ワクチンに傾きかけたバカ向けビデオwの冒頭です。英語圏で医療の話をする場合にDr.と付いている時は気を付けて下さい。#デマ吐き反ワクチン さんが医者だと思っていたら、実は教育学とか心理学の博士という #ど素人 が #戯言 を並べているだけなのも多いですから。
執筆時、Rumbleではこのような動画が表示されました。:
Tenpennyは、ReAwaken America Tourの主催者であるClay Clarkの40分にわたるインタビューを公開しています。このビデオでの虚偽の主張の多くは、過去に論破されており、この記事の後半で検討することになります。インタビューを通しての根拠のない主張は、ワクチンによって人類を殺し、コントロールしようとする陰謀があるというものです。
Tenpennyの量子もつれに関する考え方は、新しいものとして際立っています。25:00のところで、彼女は遺伝子組換え技術と呼んでいますが、はっきり言って、COVID-19ワクチンは人のDNAやRNAを改変するものではありません。CDCのmRNAワクチンに関するファクトシートには、「それらはいかなる形でも我々のDNAに影響を与えたり相互作用したりしません--mRNAは我々のDNA(遺伝物質)がある細胞の核には決して入らないので、我々の遺伝子を変えたり影響を与えることは出来ません。」と書かれています。
Tenpenny曰く、
→ 典型的な #あたおか散文 ですよねwww。おばちゃんもCarrie Madejと同じ汚部屋暮らしの人なの?www
Tenpennyは、その週の他の出演記録でも、量子もつれに何度か触れています。2022年1月30日の Stew Peters Show で、約10分、地球を過疎化させるという目標があると主張しながら、彼女は以下のように述べました。:
→Stew Peters Showに出るだけで相手にしてはいけないですよねwww。
Tenpennyが量子もつれを警告する様子を映したReawaken America Live Feedの短いクリップは、2022年1月27日にアカウント@RightWingWatchによってハイライトされ、Twitter上で流行しました。:
Lead Storiesは、複数の量子物理学者にコメントを求めました。2022年2月2日、ワシントン大学の物理学教授であるMiguel Morales氏に話を聞きました。彼は7部構成のオンラインシリーズ 『好奇心旺盛な観察者のための量子力学へのガイド』の著者である。私たちの会話に先立ち、Lead StoriesはTenpennyが量子もつれについて語った内容をMorales氏に電子メールで送信していました。
Morales氏は、Tenpennyが 『言葉のサラダ 』と表現した原稿に対する反応を明確にすることに努めました。彼はこう言いました。:
→最後の一文は翻訳しちゃうと意味が分かりづらくなりますが、要は『お前頭大丈夫か?』ってことですよwww。
また、オックスフォード大学の物理学教授であるVlatko Vedral氏からもメールで返信がありました。彼は、Tenpennyの原稿がユーモラスで 「クリエイティブ 」であることに気づいた。と返信してきました。
→『作り話が上手ですね。』って最上級の嫌味ですwww。
このX22レポートのインタビューにある他の虚偽の主張のいくつかを確認していきましょう。
2:20にX22レポートがPCR検査について、2021年12月31日に撤回された「ゴールドスタンダード」検査について問題提起しています。彼らは、多くのCOVID-19否定論や反ワクチン論に不可欠な、「PCR検査はインフルエンザウイルスとCOVIDウイルスを区別することが出来なかった」という誤った主張を繰り返しているのです。Tenpennyは 「全て詐欺 」と言っています。
Lead Storiesは、CDCがCDC 2019-Novel Coronavirus (2019-nCoV) Real-Time RT-PCR Diagnostic Panelの緊急使用認可のための食品医薬品局への要求を取り下げた理由についての誤報を論破しています。それは、この検査に欠陥があったり不正確だったりしたからではなく、精度が高かったからです--撤回されたのは、この検査が目的を果たし、代わりにもっと新しくて高速な検査が使えるようになったからです。2021年8月のファクトチェックでLead Storiesは、UCLA病理学・検査医学科のOmai Garner教授の言葉を引用しました。:
X22レポートのビデオの8:00で、Tenpennyはワクチンという言葉を否定しています。
私達は、ワクチンやワクチン接種という言葉を使うのを止める必要があります。インフルエンザの予防接種とか、MMRとか、水疱瘡とか、そういうものを考えた時に、定義上ワクチンは、ウイルスや感染の広がりを止めるためのものです。蔓延を食い止めるのが目的です。発症率を下げることが目的です。入院を阻止することが目的です。そして間違いなく死亡を食い止めることを目的としています。それが通常のワクチンと呼ばれるものです。そして、定義によれば、そのように機能することになっているのです。これらは遺伝子組換え技術です。mRNAはこれまでヒトに使われたことがありません。緊急時使用許可しか出されていません。
これは事実ではありません。ファイザー社のComirnatyとModern社のSpikevaxの両ワクチンは、FDAの完全な承認を受けています。ワクチンの定義は、技術の進歩によって進化する可能性があります。Lead Storiesがこの主張の別の例を論破したとき、CDCの定義が参照されました。
COVID-19ワクチンは、最新の科学的報告が掲載されているCDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)の統計が示すように、安全で有効なワクチンでです。
X22レポートビデオの25:20あたりで、Tenpennyはワクチンに酸化グラフェンと水酸化グラフェンが含まれていると主張していますが、そんなものはありません。更に彼女は、Thomas Renzとウィスコンシン州のRon Johnson上院議員との円卓会議に言及し、不妊症、癌、神経学的問題が猛烈に増加していると述べています。Lead Storiesは、国防医療疫学データベースで見つかった驚くべき数字について、流産、癌、神経学的問題の大幅な増加を示していると思われる記事を掲載しています。国防総省によると、それ以前の数値は過少に報告されていたため、2021年の増加は誇張されているように見えるということです。国防総省の広報担当者は、データは 「データ破損の根本原因を特定し修正するためにオフラインになった 。」と言っています。
20:30、Clay Clarkによりますと、WHOのトップが、ワクチンのブースター接種が子供を殺すために使われていると言ったそうです。彼はTedros Adhanom Ghebreyesusが話している録音を再生しました。Lead Storiesは2021年12月23日にこの主張を調べ、WHOに問い合わせて明らかにしました。広報担当者はこう答えました。: