『K2シロップは毒』さんと仲間達を嗤う
何かデンマークの人々が懸念事項を挙げているのを追って難癖付けようとされているようですが、NIH周りの情報を見てみましょう。
【ビタミンKの過剰摂取による健康リスク】
FNBは、ビタミンKの毒性の可能性が低いことから、ビタミンKのUL(=上限摂取量)を設定しませんでした[3]。
FNBはその報告書の中で、「食物またはサプリメントからのビタミンKの摂取に関連した有害作用は、ヒトまたは動物において報告されていません」と述べています。
FNBとは《Food and Nutrition Board》の略で日本風に言えば、『食品及び栄養委員会』ぐらいになるかと思います。NIHの下部組織です。
で、上記[3]の文書の該当部分はこちら:
【耐容上限摂取量】
耐容上限摂取量(UL)とは、ほぼ全ての人に健康への悪影響のリスクがないと考えられる1日の栄養摂取量の最高値のことです。
一般の人々は日常的にULを超えないようにアドバイスされるべきですが、よく管理された臨床試験の中ではULを超える摂取量を検討することが適切な場合もあります。
ULを超える摂取量の臨床試験は、試験に参加する被験者が毒性の可能性に関するインフォームド・コンセント文書に署名しており、また、試験が被験者の適切な安全性モニタリングを採用している限り、試みてみるべき価値があります。
有害性の確認
食品またはサプリメントからのビタミンKの摂取に関連した有害作用は、ヒトまたは動物で報告されていません。このためビタミンKの定量的なリスク評価は実施不可能であり、ULを算出することは出来ません。
文献を検索したところ、ビタミンKのフィロキノン型とメナキノン型のいずれも摂取に関連した毒性を示す証拠はないことが分かりました。ビタミンKの合成型であるメナジオンには肝障害があるため( Badr et al, 1987; Chiou et al, 1998 )、現在では治療には使用されていません。
ある研究では、筋肉内(IM)投与されたビタミンKと小児癌、特に白血病との間に有意な関連があることが明らかになっています(Golding et al.、1992)。この研究では、1971年から1991年の間に癌と診断され、2つの大病院のいずれかで生まれた(1965年から1987年の間)195人の子供と558人の対照者を比較対照しています。Goldingら(1992)は、IMビタミンKと癌発生率との間に有意な関連があることを報告しました(p = 0.002;観察されたリスク、1.97;95%信頼区間、1.3-3.0)。経口ビタミンKを投与された子供については、有意なリスク増加は報告されていません。ビタミンKの内服量に関するこれらの知見は、経口摂取に基づくULとの関連は限定的です。
更に、他の集団研究からの証拠は、ビタミンKと癌との関連を確認することが出来ていません (Ansell et al., 1996; Klebanoff et al., 1993; McKinney et al., 1998; Parker et al., 1998; Passmore et al., 1998)。大規模な多施設共同前向き研究(54,795人の子供)のデータを用いたネステッドケースコントロール研究において、Klebanoffと共同研究者(1993)は、ビタミンK曝露といかなる小児癌またはあらゆる小児癌を合わせたリスクの増加との間に関連はないことを見出しました。Ansellと共同研究者(1996)は、白血病と出生前および新生児期の曝露との関連を評価し、ビタミンKをIM投与された新生児における小児白血病のリスクの増加を示すことは出来ませんでした。Ansellと共同研究者(1996)の知見は、3つの同様のケースコントロール研究(McKinneyら、1998;Parkerら、1998;Passmoreら、1998)により確認されました。
動物モデルのデータでは、ビタミンKの毒性は示されていません(NRC, 1987)。実験動物にフィロキノンを25g/kgまで非経口または経口投与しても副作用は報告されていません(Molitor and Robinson, 1940)。
用量反応性評価
ビタミンKの高摂取による有害作用に関するデータは、定量的なリスク評価を行なうには不十分であり、ULを導き出すことは出来ません。
摂取量評価
米国で報告された食事性ビタミンKの最高摂取量は、19〜30歳の女性で340μg/日でした(付表C-10)。食品及びサプリメントからのビタミンKの最高摂取量は、同じく19〜30歳の女性で367μg/日でした(付表C-11)。
リスクの特徴
ビタミンKの高摂取による有害作用は報告されていません。
➡ビタミンKが禁忌な疾患を有している人でない限り、耐容上限摂取量が存在しないのだから、気にしなければならない程の危険はないでしょうと。
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