見出し画像

大統領と暗殺者

ランボーとかプレデターの話ばかりしてるとバカがバレるので、見栄を張ってアメリカの社会派映画を観た。
トム・ハンクス製作の『パークランド』である。この作品はジョン・F・ケネディ暗殺50年を記念(?)して作られたもので、パークランドとは、JFKとオズワルドが運び込まれ、息を引き取った病院の名前である。

この映画が描いているのは命の重さの違いである。ケネディが瀕死の状態で運び込まれた時、病院のスタッフはこの世の終わりとばかりに動揺し、ここが人生最大の見せ場とばかりに必死に献身的に救命に当たる。
ところが、オズワルドが運び込まれた時は、「あっ、そう」「え、本当にこんなやつ助けるつもり?」と冷淡な態度をとる。同じ重症患者でも扱いが全然違うのだ。

片や大統領、片やその大統領を殺したとされる容疑者。扱いが違うのは、当たり前。アメリカでは、これが驚くようなことなのか。何がいいたいのかわからない、だからどうした、という映画だった。
両者の葬式の対比もあるので、「人生の明暗を描いている」のかとも思ったが、国葬をしてもらったケネディにしても、決して「明」ではない。なんといっても暗殺されたのだから。
むしろ、食い潰し者でありながら歴史に名を残したオズワルドの方が「明」なのかもしれない。

そんなわけで、製作者の意図のわからない映画だった。私にはやはり社会派映画は向かないのだろう。

#映画感想文

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集