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「#女性に投票チャレンジ」って逆差別じゃない? ーよくある質問
女性という理由だけで推すなんて逆差別じゃない?
「『女性に投票しよう』っていうのは男性に対する逆差別だ。」
「男女関係なく能力で選ぶべきだ。」
「性別で決めるなんて間違っている。」
…という質問を見かけます。
これは本当でしょうか?
現状の国会の状況
現在の国会議員の女性比率を見てみましょう。
衆議院の女性議員比率は 9.7%
参議院の女性議員比率は 23.0%
これは本当に、「能力で立候補し」「能力で選んだ結果」なのでしょうか?
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他国の状況
他国の国会の女性議員比率を見てみましょう。
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下院又は一院制議会(日本は衆議院)の数値 2022年5月22日閲覧
日本は圧倒的に女性議員の数が少ないことが分かります。
「能力で選んだ結果」だとしたら、日本の女性は他国に比べて圧倒的に能力が劣っているのでしょうか?
そんなはずはないですよね。
逆に、「男性というだけで投票されやすく」「男性というだけでそもそも立候補しやすくなっている」という実態があるのではないでしょうか。
女性の政治家が少ないのは単なる実力不足?
わたしたちは、女性の政治家が少ない理由は「実力不足だから」ではなく、すべての女性を取り巻く社会の構造が原因だと考えています。
※これ以降、ハラスメント被害の具体的な事例に触れる箇所があります。ストレスを感じる方がいらっしゃる可能性があるため注意してご覧ください。
各政党の女性候補者数
女性議員が増えるには、立候補する人を増やさないといけませんよね。それでは各政党がどれだけ女性候補者を擁立しているか見てみましょう。
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出典:立民は4割強の女性候補、自民は2割弱…現職男性議員の引退なく選挙区擁立できず
(読売新聞)
そもそも政党の側に女性議員を増やそうというモチベーションがないと、増えるものも増えませんよね。
有権者からの票ハラ
仮に立候補したとしても、女性候補には大きな壁が待ち受けています。それが票ハラです。
票ハラとは、有権者が一票の力をちらつかせて、候補者の体を触ったり、つきまとうなどの嫌がらせを行うこと。内閣府が地方議員を対象にした調査によると、女性候補者の65.5%が票ハラの被害を受けている実態があり、立候補を断念した人もいる。
先日内閣府男女共同参画局が制作したハラスメント防止研修教材でも、票ハラの現実を詳しく知ることができます。
せっかくモチベーションがあっても、有権者からのハラスメントに日常的にあい、尊厳を傷つけられてしまう現状があるのです。
過酷な選挙戦
これまで政治家といえば、家事や育児をパートナーに任せることができる既婚男性が中心でした。そのため選挙運動もそのような男性を前提としたスタイルになってしまっています。家族の世話をメインで担っている女性候補が同じような闘い方をするのは至難の業であることは、想像に難くありません。
「(候補者は)早朝始発から終電まで駅で立て」と言われますけれども、私は選挙に出た時に1歳と3歳の子どもがいたので街宣車の中でおっぱいを絞りながら活動していました。始発から街頭に立ちたい気持ちはあります。でも(その間に)子どもを誰が見るのかという話がある。
伊藤 孝恵さん(国民民主党 現職参議院議員)
根強いジェンダーバイアス
女性の政界進出が進まない原因はなんだと思いますか? と、一般の人に聞いた調査によると……
「議員活動と家庭生活の両立の難しさ」34.5%
「『政治は男のもの』という世の中の価値観」 34.0%
「女性政治家や女性政治家志望者を育てる環境の未成熟さ」 32.7%
「男は外で仕事、 女は家事・育児」 という性別役割 分担意識 31.4%
「女性政治家に対する差別やハラスメントの存在 27.9%
あれ? これって… わたしたちの悩みと一緒ですよね?
「女性は政治家に向かない」
「家事・育児・介護は女性の役割」
そんな思い込みが、政治家を志す女性の壁となっています。そう、これは、政治の世界の問題だけではないのです。
私たち女性はたくさんのジェンダーバイアスを、無意識のうちに自分の人生に組み込んでいるはず。あなたも心当たりがありませんか?
「女の子は学歴が高いとモテない」
「女の子は浪人しないほうがいい」
「女の子は実家を出てまで大学に進学する必要はない」
「女なんだから家事・育児をちゃんとしないと」
女性政治家が増えない理由と、私たちが日々感じているモヤモヤの理由は、実は地続きなのではないでしょうか。
どんな人でも自分らしく生きられる社会に向けて
「女性は政治家に向かない」という根強いジェンダーバイアス。いざ立候補しても、家族のケアもしながら、有権者からの票ハラに耐え、過酷な選挙戦を乗り越えなければいけない。男性候補者と比べて、あまりにもハードモード過ぎませんか?そんなタフな女性しか、政治家になることが許されないのでしょうか?
国会議員は、選挙によって選ばれたわたしたちの代表者であるはず。なのにそのほとんどが男性となっている。この現状こそが、そもそも公平ではないのです。
多様な生き方が尊重され、どんな人でも自分らしく生きられる社会を実現するために、ジェンダー平等は欠かせないはずです。女性に投票するというチャレンジは、既にある不平等な構造を是正するためのポジティブ・アクション。
「逆差別」ではないとわたしたちは考えています。
※「 ポジティブ・アクション」とは、一般的には、社会的・構造的な差別によって不利益を被っている者に対して、一定の範囲で特別の機会を提供することなどにより、実質的な機会均等を実現することを目的として講じる暫定的な措置のことをいいます。
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