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エピソード1 赤ちゃんと出会う


ロドリゲスはラベルのボレロで目を覚ました。オレンジジュースを飲み、ピーナツバターを塗ったパンを食べ、magicのno way noを聴きながら大学へ向かった。
カリフォルニア大学でプログラミングの授業を受け、講義が終わると、いつものようにカフェテリアへ行った。カフェテリアではルースがブラックティーを飲んでいた。

ルース「ハイ、ロドリゲス。ハウズ ゴーイング オン?私、今朝スシを作ったの。たくさんあるから今から食べに来ない?」ルースは歯茎をぐりっと出してスマイルした。

ロドリゲス「スシはあまり食べたことないけど、どんなものか気になる。行きたいな。」

そういう訳で、ロドリゲスはルースのシェアハウスへ行くことになった。

シェアハウスに入ると、キッチンはコーヒーの香ばしい香りが漂っていた。
ハウスシェアメイトのドードーがコーヒーを入れていた。

ルースは冷蔵庫から奇妙な黒い棒を取り出し、包丁を入れた。

ルース「これは海苔巻きと言うの。中身はカリフォルニアロールと同じだから、安心して。さあ、食べましょう!」
ロドリゲス「黒いフードはちょっと抵抗あるけど」と戸惑いながら一口パクッ。「アヴォカドとサーモンのコンビネーションがぴったりで美味しい!ノリで巻いてあるのが食べやすい。」と喜んだ。
「数日前、フィシャーマンズワーフで良いサーモンが手に入って、捌く所から調理したのよ。手間をかけて作ったからそう言ってもらえて嬉しいわ。」
「ワオ、ルースが捌いたんだ?ビックリ!」とロドリゲスは感心した。

食事後、ロドリゲス「は〜、喉が渇いた。」冷蔵庫をおもむろに開け、牛乳パックを開けコップに牛乳を注いだ🥛「ぷはっ、うまい!」
ルースは牛乳パックをじっと見つめると「ちょっと、ロドリゲス!逆から開けてるよね?」と少しイラだった。
ロドリゲスは「あれ、間違えてた?」と言って笑い、「俺あんま気にしたことなかった、開け方なんか。気を悪くしたのなら、ごめん。」
ルースは開け口を気にしない人がいるんだということに驚きつつ、「いいけどさ、開け口から開けないとキレイに開かないから、こっちが正しい方でしょ。」と説明した。
「わかったよ、できるだけそうする。」と返事したものの、ロドリゲスは飲めればいいじゃん、ルースって細かいな、と心の中で思った。
二人のやりとりをドードーはコッソリ笑いながら見ていた。

「そろそろ、ベビーシッターのバイトへ行かないと。」ルースはバイトの準備をした。「その前に頼まれたオムツのまとめ買いに行くから、よかったら手伝ってもらえる?」と聞くと、ロドリゲスはいいよと言い、2人は一緒に行くことにした。

バイト先に着くと赤ちゃんがベッドで泣いていた。「あらあら、大変。おしめを替えましょうね」ルースは慣れた手付きでオムツをサッと替えると赤ちゃんはニコニコご機嫌になった。「ちょっと抱っこしてて」ルースはロドリゲスに赤ちゃんを渡した。ロドリゲスはちょっとびっくりしながらも、赤ちゃんをあやし始めた。赤ちゃんはロドリゲスの茶色の瞳をじっと見つめている。
「ケ リンダ マニート ケ テンゴー ヨー、ケ リンダ イ ブランキタ ケ ディオス ミー ディオ」ロドリゲスが優しく唄うと、赤ちゃんはすやすやと眠ってしまった。
「ロドリゲス、素敵な唄ね。」ルースが言うと「昔、おばあちゃんが優しく歌ってくれたんだ。今でもこの唄を聞くとウトウトしちゃうよ。」とロドリゲスが答えた。ルースは「いい思い出ね」と言って笑った。

ロドリゲスが赤ちゃんをベッドへ戻すと、ルースが赤ちゃんの足を嗅いだ。「赤ちゃんってこんなに小さくてもちゃんと足のにおいがあるのよね。NATTOUの香りがして好きなのよ。」と言ってスマイルした。ロドリゲスはルースって変なクセがあるよなと心の中で思った。

「ロドリゲス、あなた、ベビーシッターの才能があるわ。赤ちゃんもいろんな人と関わっていく方が良いと思うの。あなたもベビーシッターしてみない?」とルースはロドリゲスに尋ねると”si”とロドリゲスは答えた。

「それは助かるわ。丁度、人を探してた所だったの。手間が省けたわ」とまた歯茎をぐりっと出して笑った。

こうして、ロドリゲスも赤ちゃんのお世話をすることになった。

#短編小説 #ナマケモノ #チンパンジー #赤ちゃん

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