kate & O.J.Yu

ロドリゲス(ナマケモノ)とルース(チンパンジー)の日常を書いてます。

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最近の記事

エピソード6 想い出のアルベルト

12月8日。 9年前の今日、弟であるアルベルトが突然死んだ。 アルベルトは兄弟の中でもとりわけ優しい性格で、昔から正義感が強い子だった。長女のイレーネは忙しい母に代わり、よく彼の世話をしていた。 イレーネは4カ月前に子どもを産んだばかりで、産まれた子はアルベルトによく似ている。アルベルトが亡くなった時に1番悲しんだのは姉のイレーネだった。生まれた子にはアルベルトJr.と名付けた。 イレーネがテキサスからカリフォルニアへ観光も兼ねて来ると言うので二人でアルベルトのお墓へ行

    • エピソード5 Sunday Market

      ルースのある日曜日。 私はちょっと早起きをして野菜を買いに、サンデーマーケットへ向かった。葉っぱが付いたニンジンや土の付いたほうれん草を購入し、ふらふら歩いていると、香ばしい良い匂いが漂ってきた。 いろんな種類の豆がガラス瓶に敷き詰められていて、その奥でコーヒーを入れている人がいた。メガネをかけて、こだわりのある紳士といった風情の店主。とても静かで滑らかな動きに見とれそうだった。 私はコーヒーの事はよく知らないけど、なんとなく美味しそうで、値段もお手頃。私は豆をじっと見た。

      • エピソード4 Story of Ruth

        ルースのシェアハウスでドードーとルースが作った海苔巻きを食べている時、ある置物が目に入った。不思議な形で、アジア人の様な目の人形だ。 「ねぇ、ルース、その人形はなんだい?」とロドリゲスはルースに聞いた。 「ああ、この子が気になった?この子との出会いで私の人生が変わったのよ。ちょっと長くなるけど話を聞いてくれる?」とルースは語り始めた。 「あれは、私が11歳になったばかりだった。ある日、友達のマリーの家へ遊びに行ったの。彼女はイギリス人の父親と日本人の母親を持つミックスで、

        • エピソード3 im KEN

          目を覚ますと、ママの背中が見えた。 ボクはうわ〜んと泣いた。 ママはおっぱいをくれた。 足の間がビチョビチョだったけど、ママが快適にしてくれた。 ママは今日も表情が暗い。大丈夫かな。不安な気持ちが伝わってくる。ボクは分かる。ボクとママは一心同体だから。 ご飯を食べて、クッションでリラックスしていると、チャイムが鳴った。 ルースだ。丸くて黒い目、赤い髪。ママとは違う見た目、違う話し方。 今日はルースと何をするんだろう。 ルースはコマを持ってきた。 ボクはクルクル回るものを

          エピソード2 北欧人の子どもを産みたい?

          ロドリゲスとルースはメキシカンレストランでブリトーを食べていた。 ルースがふと外を見ると、慌てたドードーが歩いている。声をかけてみた。 「こんにちは、ドードー!急いでどこに行くの?」 「やあ、ルースにロドリゲス!新しいスーパーの開店セールに行くとこなんだ。並びそうだからもっと早めに出るんだった。じゃ、また後でね!」 歩幅が小さいドードーを見送ってると、隣のテーブルに座ってる親子と目が合った。 ブロンドにピンクのメッシュを入れた若いお母さんと、金髪で青い目のキレイな赤ちゃん

          エピソード2 北欧人の子どもを産みたい?

          エピソード1 赤ちゃんと出会う

          ロドリゲスはラベルのボレロで目を覚ました。オレンジジュースを飲み、ピーナツバターを塗ったパンを食べ、magicのno way noを聴きながら大学へ向かった。 カリフォルニア大学でプログラミングの授業を受け、講義が終わると、いつものようにカフェテリアへ行った。カフェテリアではルースがブラックティーを飲んでいた。 ルース「ハイ、ロドリゲス。ハウズ ゴーイング オン?私、今朝スシを作ったの。たくさんあるから今から食べに来ない?」ルースは歯茎をぐりっと出してスマイルした。 ロド

          エピソード1 赤ちゃんと出会う