【ドイツ語文法】名詞の格変化(6)定冠詞・複数形
定冠詞だけでかなりゆっくりと見てきましたが、定冠詞シリーズも今回でいよいよ終わりです。
最後は「複数形」です。
以前お話ししたように、ドイツ語は「男性」「中性」「女性」で変化が異なるのは「単数形」のみで、「複数形」では全性で変化が共通となります。
そのため、「男性」「中性」「女性」「複数」の4つの変化パターンがあると考えて差し支えありません。
そして、それぞれの変化パターンは、「男性&中性」「女性&複数」と大きく2つのグループにまとめられることも説明してきました。
今回は「女性&複数」グループに属する「定冠詞の複数形」の変化です。
前回見てきた「女性形」の変化を思い出しながら見てみてください。
さて、複数形、どの名詞を使いましょうか。
男性、中性、女性、どの名詞でも言いわけですから悩みますね。
取りあえずは「犬」を使うことにしましょう。
「Hund」の複数形は「Hunde」です。
と、この説明の仕方、厳密には語弊があります。
というのは、複数形は1か所だけ、名詞自体も変化するからで、全ての格で「Hunde」という形ではないからです。
それはどこかというと、「犬たち『に』」の部分です。
この場合は「Hunden」と「n」を付けます。
この「n」、後の伏線にもなる語尾なので、少し覚えておいてください。
では、また順番に4つの格と定冠詞の変化を見ていきましょう。
「それらの犬たちが」は「die Hunde」。
女性形と同じく「die」です。「女性&複数」で1つの大きな変化グループになる点を思い出してください。
そして、前回もお話ししましたが、男性形以外では「が」と「を」の区別はありません。ですので、「それらの犬たちを」も
「die Hunde」です。
次に、「それらの犬たちに」です。
ここは、名詞自体も「格の違い」を見せつけるところでしたね。
定冠詞も同調して、
「den Hunden」
と、同じく「n」の語尾をつけて変化します。
「デン・フンデン」と韻を踏んでいますね。
そして最後は「それらの犬たちの」です。
これは、
「der Hunde」
となります。
女性形との違いは気づきましたか?
「に」のときに、複数形では名詞自体の変化形「-n」に合わせて定冠詞も「den」と変化しましたが、
それ以外の3つの格では全て女性形と同じでしたね。
これが、「女性&複数」で1つの大きな変化グループを成す理由です。
変化形が同じ部分は敢えて覚えず、暗記の負担を減らしましょう。
では、定冠詞の複数形の変化のまとめです。
それらの犬たち「が」 die Hunde
それらの犬たち「を」 die Hunde
それらの犬たち「に」 den Hunden
それらの犬たち「の」 der Hunde
以上が定冠詞の格変化となります。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
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