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【ドイツ語の文法】格変化とは

ドイツ語の文法、今回のテーマは「格変化」です。

難しそうに聞こえる用語ですが、実は皆さんが英語を学んだときにも「格」という言葉は聞いたことがあるはずです。

そう、人称代名詞の「I」「my」「me」「mine」を勉強する際です。

人称代名詞を学ぶときに、「主格」「所有格」「目的格」という言葉を習ったと思います。

英語の場合、格は3つあるわけです。

しかし、英語の場合は、格ごとに語の形はあまり大きく変わりません

人称代名詞は「I(主格)」「mine(所有格)」「me(目的格)」と大きく変わりますが、

普通の名詞は、「dog(主格)」「dog's(所有格)」「dog(目的格)」と、3つの格に対して形は2種類だけ

「's」は実は格変化の語尾なのですが、名詞に後から書き足すものなので、あまり名詞の一部だという認識はないかもしれません。

一方、ドイツ語の場合は、格は英語から1つ増えて、4つあります
何が違うかと言うと、「目的格」が2つに分かれるのです。

2つに分かれるなんて難しそうと思われるかもしれませんが、
実はこれも、英文法の中に出てきます

それは、「間接目的語」と「直接目的語」の話です。

つまり、ドイツ語の場合は、「目的格」が「間接目的格」と「直接目的格」の2つに区別されるのです。

英文法でも確かに、第4文型「SVOO」(giveやsendなど)の説明の際、「間接目的語」「直接目的語」という用語が出てきますね。

ただ、この2つの用語が使われるのは、英文法ではほぼこの文型の説明のときだけです。

普通、動詞の目的語が1つしかない場合は、その目的語が直接か間接かと言う区別はしませんよね。

そこに区別があるのがドイツ語です。

つまり、ドイツ語の場合、動詞の目的語が1つしかない場合でも、
それが間接目的語なのか、直接目的語なのかを区別し、それぞれに適した形を使う必要がある
のです。

実は、ドイツ語でも、名詞自体はそこまで大きく形を変えません

「Hund(主格)」
「Hundes(所有格)」
「Hund(間接目的格)」
「Hund(直接目的格)」

上を見て頂くと分かるように、実は「所有格」以外の形は同じ。
英語の「dog」の変化とあまり大差ないことが分かります。
なお、ドイツ語では「所有格」の語尾に「'」を使いません。

では、ドイツ語と英語の「格変化」の大きな違いは何かと言いますと、

ドイツ語の場合は、冠詞や形容詞にも格変化があるという点です。

例えば英語の場合は、「the dog」の「the」は所有格になっても「the dog's」、つまり「the」のままです。

しかし、ドイツ語の場合は、

der Hund (主格)」
des Hundes (所有格)」
dem Hund(間接目的格)」
den Hund(直接目的格)」

と、4つの格に合わせて冠詞が形を変えるのです

では、これに英語の「good」に相当するドイツ語の形容詞「gut」を付けてみて、「その良い犬(the good dog)」の変化を見てみましょう。

der gute Hund(主格)」
des guten Hundes(所有格)」
dem guten Hund(間接目的格)」
den guten Hund(直接目的格)」

初見だとかなり複雑に見えるかと思います。
実は4つ中3つが「guten」になっていて、さほど変化はしていませんが。

しかし、英語には「the good dog」「the good dog's」の2種類しかないことと比べると、その変化形の多さは明らかです。

英語と比べた時のドイツ語の「格変化」の特徴は、以下のようにざっとまとめることができます。

・英語よりも格が1つ多い(「目的格」が更に2つに分かれた)
・名詞だけでなく、冠詞や形容詞も格に合わせて変化する。
・名詞自体の変化がさほど多くない点は、英独で似ている。

なお、英文法と独文法で使う用語が違うため、
ドイツ語では「主格」「所有格」「間接目的格」「直接目的格」という言い方はしません。

ではどういうのかと言うと、物凄く単純で、上から番号を振るだけです
「1格」「2格」「3格」「4格」というように。

以上が、格変化に関する、英語とドイツ語の類似点と相違点についてでした。

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