【語学】語学は現地で学ぶべきか?
「学びたい言語の母語話者が住む国で言語を学ぶべきか」というテーマはよく耳にするものだと思いますが、個人的には「行けるなら絶対に行ったほうが良い」と思います。
ただここにも落とし穴があって、「その国に行けばみんな語学が上達する」というのは正しくありません。実際、ドイツに何十年も住んでいるけれどドイツ語が一向にうまくならない、という人は少なくありませんし、留学したからと言って必ずしも語学が上達するとは限りません。
ただ、その国に行くことで、「語学の上達スピードを速める機会が多く得られる」ことは確かです。
違いは、「その言語に増える機会の数」にあります。
母国で話されていない言語を母国で学ぶ場合は、その言語に触れる機会を能動的かつ積極的に増やしていく必要があります。
今でこそYouTubeやアプリ、その他のプラットフォームなど、総合的な語学力を家にいながら上昇させることができる機会があふれていますが、それでも、やはり自分から能動的にそのようなツールを使わない限りは、早い上達は見込めません。
強く自己を律する心がないと、なかなかに続かないのです。
かといって語学学校に行くのはどうかと言うと、これは能動的に見えて実は受動的な方法です。授業に出て学んだつもりになってしまうのですが、復習をしなければ身につけられたはずの知識も身に着かなくなります。
更に、語学で重要なのはインプット以上にアウトプット。授業は、新たな知識を得る場ではなく、学んだことを実践するアウトプットの機会にしないと、あまり意味はありません。
ただし、このような意識をつねに保つことにも、自律の気持ちと高いモチベーションが必要なので、途中でダレてきてしまうことがあります。
ちなみに、この「語学学校」は、日本であっても、外国であっても同様です。僕は、語学学校では学び方のヒントは学べたのですが、正直そこにいて上達したかと思うとイマイチ・・・在籍は精神安定剤のようなものです。
外国に住んでその国の言語を学ぶ際は、とにかくその言語を話す人と頻繁に接する場を設けることが必要です。
これも、場を設けるには自分から最初は動き出さないといけないのですが、ネイティブの友人や何らかの組織やグループに属してしまえば、その後はほぼ自動的にその外国語で話さざるを得なくなります。
「語学の勉強をしている」という意識がない状態に至ることが、上達への一番の近道なのかもしれません。
僕の最初の留学はと言いますと、大学で友人が全く出来ず、話し相手がいないので、仕方ないためひたすら本を読んでいましたが、「これって日本でもできるんじゃないかな」と悶々としていました。
しかも、今はネットでいつでも日本の友人と連絡が取れてしまうので、気づけば下宿先という閉鎖空間で日本語ばかり使っている・・・という状況に陥っていました。
結局、ドイツ語が一番上達したのは、留学の最後の方に参加した3か月の研修のときでした。
全員が異なる国の出身の研修仲間と一緒に、ドイツ人の講師の話を聞きながら、毎日ドイツ語で研修プログラムに参加しました。研修仲間とは朝から晩まで一緒に過ごし、共通語はドイツ語。日本語を使うのは寝る前に自室に戻ったときくらいです。否応なしにドイツ語の会話能力が向上しました。
こういう環境を日本でも作れれば良いのですが、日本でそこまで隔離された環境を作り出すのはなかなか難しいんじゃないかな、と思います。
もっとも、今はこんなご時世なので、なかなか現地で学ぶというのは難しいのですが、ひとたび落ち着いて、状況が許せば、是非現地で学ばれることを強くおススメします!
🍀ここまでお読みくださいましてありがとうございます!🍀
【写真:David Mark (Pixabay)】
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