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食事介助について

今回は食事援助について話します。
介護の仕事についている人が食事に関わること。
これはどういうことだと考えられるでしょうか?
私は、『美味しく自分で食べることができる』と定義したいと思います。
現場では自分で食べられなくなった。だから次の手として職員が介助して差し上げるというのが標準になっていると思います。
ただこれは、その人が自分で食べられなくなった原因を考えていない。
そういったことが多いのだと考えています。
ご自分で食べられなくなった原因が
・廃用症候群による機能低下によるものなのか?
・脳卒中のような病気の後遺症からくるものなのか?
・認知機能の低下により食事摂取の機能が低下したことによるものなのか?
・精神的なことからくるものなのか?
これによってアプローチが変わってきます
例えば、うちの現場であったこととすると
身長が140cm台の女性の方(Aさん)
円背がありましたが、以前はご自分で食べていました。
しかしある日、食事を摂取していないことがありました。
なんでだろうなと思って観察していたら原因が2つありました。
①    円背のまま座っており、やや姿勢が崩れてしまっていたこと
②    テーブルの高さが高すぎたことこ
③    配膳時に目を見てコミュニケーションをとっていなかったこと
でした。円背があって+αテーブルが高いとどういうことになるか
イメージができるでしょうか?

Aさんはテーブルにお膳があったのですが、それが食事だと分からなかったのだと推測します。
なぜなら目線はテーブルと同じ高さですから、上から見下ろせていなかったためにそれが食事と認識できていなかったのだと思います。
本人に食事が来たことを話すと「きたのかい。ありがとうね」といつものように姿勢を正し召し上がっていました。Aさんはスタッフが配膳したお膳を食事とは認識できていなかったのです。それは適切にコミュニケーションがとれていないことが原因だったのです。指示が入りません!ではないんです。
あなたが適切な対応ができていないんです。目を見てコミュニケーションをとれていないだけなんです。

なので私たちがアプローチする方法は
①    適切な高さのテーブルをセットすること
②    配膳時に目を合わせてコミュニケーションをとること
でした。
それだけのことで、Aさんは食事を自分で摂取することができました。
改めて考えてみると単純で、自分が配膳されたものをご飯と認識していなければ。
認識できる環境が無ければ、そりゃご飯食べられないですよね。
こういった至極当然、考えてみれば当たり前のことを、狭い視野になってる方は気づくことができません。
よくスタッフに広く見て、見方を変えてみてってお話はしていますが、なかなか十分な結果が得られていないのが現状です。
その現状の要因とすると、人がいないからだったりとかバタバタ忙しくて、みんなのことを見なきゃいけないからということが多いのです。
でもね、例えば従来型の特養だったり老健での個別ケアというのは集団の中で、集団ケアの中で個別ケアを挟んでいく。
その人と相対する時には特別な目で見ながらその人にあったケアを提供していくことが個別ケアとなります。
そのためこの個別ケアをユニットケアと比べると、とても早い切り替えを早くしていかないといけないというのはなれるまでは大変なところにもなります。
が従来型特有の技、スキルとして身についていくものかと思います。
介護護福祉士の倫理領専門性の1つに環境を設定する専門家というのが謳われ
ています。
これは自立支援を促すために必ずしも私たちが身体的な介護ケアを提供するのではなく、その方が動きやすいを整える必要があります。そのようにしていってくださいねという介護福祉士会からのメッセージです。
それをやっていくために、私たちは日々ご利用者のアセスメントもそうですし色々なスキルを身につけるために、OJTだけではなく外部の研修やネットでの知識の収集、動画視聴等が必要になってきます。
是非少し視点を変えて、まさにその人の目線に立ってみてどのように見えるのか世界の見え方を確認してみると、少し違った視点でケアが開始できと思います。
今回は以上です。


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