『すばらしい人体』を読みました。
身近にありながらも普段なかなか気づかない自分の体や医療について、語り掛けるように綴られています。
この本では人体の不思議を取り扱っていますが「人間の体は重いのに重さを感じないのはなぜか」「血液型のA型、B型は実際は何なのか」という点など、普通に生活していたらあまり着想を得られないところからの切り口となっている点が、この本を面白くたらしめている理由ではないかと思います。
他にも、人体のメカニズムや医学の歴史、実際の現場のトリビアまで、医療に関して幅広くトピックが集められており、飽きることなく楽しめます。
特に医学史を扱ったチャプターについては、普段見慣れているものが実はほんの100年の間に創り出されたものであるとか、医療分野における世紀の大発見はとかく認められにくいものであるとか、そういった先人の苦悩や業績があるおかげで今の医療が成り立っているのであると再認識しました。
また、同じ著者が書いた『すばらしい医学』も面白く、同様に知的好奇心を満たしてくれます。こちらもお勧めです。