高卒認定試験を解説:令和5年度第1回の地理A(3番の問3)と地理B(2番の問4)
問題文
タカノリさんは,日本における資源・エネルギー問題への取組について興味をもち,資料7 を得た。資料7 中のカ~クのうち,化石燃料の消費量削減を目的とする取組の組合せとして最も適切なものを,あとの1 ~ 4 のうちから一つ選べ。
<資料7>
カ 国内の大手航空会社が中心となり,海外からの輸入依存度が高い原油ではなく,廃棄物や使用済み食用油などから作られる「持続可能な代替航空燃料(SAF)」の開発促進と活用が進められている。この取組は,今後,様々な業種間での連携により,国産SAFの生産・活用体制の構築が進められる予定である。
キ 日本近海には,天然ガスの主成分であるメタンと水とが結合し結晶化した「メタンハイドレート」と呼ばれる物質の存在が確認されている。国産エネルギー資源の一つとして利用できるようになれば,天然ガスの輸入依存度を下げることができるため,民間での商業化の実現を目指した技術の開発や資源量の評価などが進められている。
ク 長野県では,豊富な自然エネルギー資源を活用した地域づくりや産業の創出,エネルギー自給率の向上などを目指す「1 村1 自然エネルギープロジェクト」が推進されている。例えば,2016 年2 月に竣工した長和町新庁舎には,太陽光発電設備や地中の熱を冷暖房や給湯などに利用するシステムが導入されるなど,県内の自治体や企業,NPOなどによる多様なプロジェクトが行われている。
<選択肢>
1 カ・キ
2 カ・ク
3 キ・ク
4 カ・キ・ク
聞かれてること
化石燃料の消費量を減らせそーなのはどれ?
カ 原油 → 食用油
キ 輸入品の天然ガス
→ 日本近海のメタンハイドレートから取り出した天然ガス
ク 太陽光や地熱の使用
最低限必要な基礎知識
化石燃料…原油、天然ガス
化石燃料でないもの…食用油、太陽光、地熱
知ってると便利な知識
化石燃料とは…
地質時代を通じて動植物などが地中に堆積し、長い年月をかけて地圧や地熱を受け、変成されてできた有機物。特に、石炭・石油・天然ガスなど、燃料として用いられるもののこと。メタンハイドレートの利用も期待されている。化石エネルギー。(小学館 デジタル大辞泉より)
考え方
キ:輸入品の天然ガスを使うか国内で採取された天然ガスを使うかという話なので、化石燃料を使用することには変わりがない。