高卒認定試験を解説:令和5年度第2回の国語(漢文)


最低限必要な基礎知識

返り点:レ、一/二/三、上/下
置き字:焉、矣、也
再読文字:将

読解のコツ

 まず人名と人称代名詞に印を付けて、誰が言ってるのか/誰のことを指してるのかがパっと見て分かるようにする。
 「」内の"我"とか"吾"は"曰"の直前に書いてある名前の人が自分のことを指して言ってる。あと、問題文の注釈から"不穀"も文王が自分のことを謙遜して指してることが分かる。
 文末の「焉、矣、也」は語気を表すだけなので、文の意味を知りたいだけなら訳す必要なし。

文章Ⅱ
文章Ⅲ

語句の意味

  • 以て
     でもって。…で。…(を)使って。▽手段・材料を示す。

  • 違ふ
     相違する。食い違う。外れる。

  • 安し
     心が穏やかだ。平穏だ。不安がない。


  •  手に入れる。自分のものにする。

  • 聖人
     知徳にすぐれ、万人に師と仰がれる人。

  • 鋳る
     金属を溶かし、鋳型に入れて器物を造る。鋳造する。

  • 調ふ
     (楽器の)調子が合う。

  • 請ふ
     頼み求める。望み求める。

    1. 臣下。家来。召使い。

    2. わたくしめ。▽自称の人称代名詞。謙そんしていう語。男女ともに用いる。

  • 窃かなり
     物ごとをこっそりする。

    by 学研全訳古語辞典

文章Ⅱをテキトーに和訳すると…

荊の国の文王は言った。『莧譆はワシを諌めるのに義を用い、ワシと意見が異なるときは礼を用いる。一緒に居ったらしんどいけど、長く続けたらワシにとってプラスになる。せやのにワシが自ら爵位を与えたらんかったら、後世の聖人に「文王?ありゃアカンな。」言われるわ。』…つーことで莧譆を五大夫っていう爵位に付けた。
『申候伯はイエスマンかつ提灯持ち。一緒に居ったらそら~楽でエェけど、そんなん長いこと続けたらワシにとってマイナスや。自ら遠ざけんかったら後世の聖人がに「文王?ありゃアカンな。」言われるわ。』…つーことで申候伯をクビにした。

文章Ⅲをテキトーに和訳すると…

普の国の君主である平公が、でっかい鐘を鋳造して作り、その音を楽工さん(楽器を作る人)に聴かせた。ほしたらみんな「エェ音でんな~」言うた。けど楽師の曠さんは「変な音ですから作り直して下さい。」と言った。平公「楽工さんはみんなエェ音や言うてるで。」 曠「後の世で音の分かる者が鐘の音が変だと分かるでしょう。家来たちは表立っては言いませんけど君主のせいで恥ずかしい思いをしますわな。(わたくしめは表で言いませんけど、みっともないと思いますよ。…の意味かもw)」 楽師の涓さんにも聴かせてみた結果やっぱり鐘の音がオカシイって分かった。曠さんが鐘の音をちゃんとせなアカン言うたのは、後世の音が分かる人のことを考えたからだ。

「返り点?置き字?何それ食べれるの?」なときは

この動画が分かりやすい。


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