後京極摂政前太政大臣が百人一首に残した作品は?
後京極摂政前太政大臣が百人一首に残した作品は、、、
─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆本歌取り
☆掛詞
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品
♪ きりぎりす
鳴くや霜夜の
さむしろに
衣かたしき
ひとりかも寝む
です。
読みは、
♪ きりぎりす
なくやしもよの
さむしろに
ころもかたしき
ひとりかもねん
となります。
太字一カ所が変わります。
☆意味
きりぎりす (こおろぎが)
鳴くや霜夜の
(鳴いている。
霜の降りた寒い夜に)
さむしろに
(小さなむしろで)
衣かたしき
(衣の片袖を
枕代わりに敷いて)
ひとりかも寝む
(ひとりで寝るのだろうか?)
☆本歌取り
本歌は、3つあります。
♪ さむしろに 衣かたしき 今宵もや われを待つらむ 宇治の橋姫(古今集)
♪ 吾が恋ふる 妹は逢はずて 玉の浦に 衣かたしき ひとりかも寝む(万葉集)
♪ あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
(百人一首3番:柿本人麻呂)
003 柿本人麻呂
☆掛詞
3句「さむしろ」と「寒し」
☆文法解説
1句「きりぎりす」は、こおろぎのこと
現代の「きりぎりす」は、
当時「はたおり」と呼んだ。
「ぎーっちょん、ぎーっちょん」という鳴き声が「機織り」の音に似ているから。
2句:「鳴くや霜夜の」
「や」詠嘆の間投助詞
3句「さむしろ」は、「小さなむしろ」の意味
4句「衣かたしき」は、「衣片敷き」で、自分の衣の片袖を枕代わりに敷くことを意味します。
5句「ひとりかも寝む」で、
「ひとりで寝るの
だろうか?」
という意味。
詳しくは、
☆鑑賞
なんとも寂しげな歌ですね。
ひとりではなく、女性と心も体も温めあって寝たいものですね。
後京極摂政前太政大臣がこの歌を詠む少し前に、妻に先立たれたそうです。
亡き妻のことを思い出して、改めて一人で寝るのが寂しくなったのでしょうね。
ところで、この歌、ちょっと疑問があります。
こおろぎが鳴く夜なのに霜が降りるとは、どんな季節なんでしょう?
霜が降りるような寒い時期にも
こおろぎが鳴くのでしょうかね?
その辺りに言及したサイトは残念ながら見つかりませんでした。
☆出典
『新古今集』秋・518
★新古今和歌集
★関連動画
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