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恵慶法師が百人一首に残した作品は?

恵慶法師えぎょうほうしが百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆「むぐら」とは?
☆意味
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ 八重むぐら
  しげれる宿の
  さびしきに
  人こそ見えね
  秋は来にけり

です。

読みは、

♪ やえむぐら
  しげれるやどの
  さびしきに
  ひとこそみえね
  あきはきにけり

となります。


☆「むぐら」とは?

「むぐら」とは、漢字では「葎」と表記します。

下の写真がむぐらです。



「八重」というのは「幾重にも」という意味です。

「八重むぐら」で、「むぐら」の草が幾重にも生い茂っている様子を

詠っています。

他に「やえむぐらという植物もあるようですが、

この歌の「むぐら」は「かなむぐら」の事らしいです。

☆意味

八重むぐら
  (幾重にも「むぐら」が)
しげれる宿の
 (しげっているこの別荘の)
さびしきに  (さびしきに)
人こそ見えね
   (訪れる人がいないが)
秋は来にけり
     (秋はやってきた)

☆文法解説

2句:「しげれる宿の」
   「る」完了の助動詞
   「り」の連体形

   「の」同格の格助詞

3句:「に」場所を表す格助詞


4句:「こそ・・・ね」
   係結び

   「ね」打ち消しの助動詞
   「ず」

5句:「に」完了の助動詞
   「ぬ」

   「けり」
   詠嘆の助動詞


☆鑑賞

なんとも寂しげな歌ですね。

「宿」とは、旅館のことではなく家のことです。

この歌では、「宿」が14番でご紹介した「河原左大臣」の別荘を指しています。

松島湾の海岸風景を模して作った豪華な邸宅だったそうですが、

河原左大臣の死後は、幽霊の噂が広まって荒れ果ててしまい、

この歌の当時は、河原左大臣の曾孫の安法法師(あんぽうほうし)が住んでいました。


☆出典

『拾遺集』秋・140

★関連動画


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