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中納言兼輔が百人一首に残した作品は?

中納言兼輔ちゅうなごんかねすけが百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆序詞
☆歌枕
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ みかの原
  わきて流るる
  いづみ川
  いつみきとてか
  恋しかるらむ

です。

読みは、

♪ みかのはら
  わきてながるる
  いずみがわ
  いつみきとてか
  こいしかるら

となります。

太字一カ所が変わります。



中納言兼輔の友人の間で、若狭守の娘の噂が広まっていました。

とても美しい女性だそうで、優しく、和歌や琴が上手だという噂でした。

何と!

中納言兼輔は、その噂を聞いているうちに、若狭守の娘に恋をしてしまいました。

この歌は、その気持ちを詠んだものです。

☆意味

みかの原   (みかの原を)
わきて流るる
    (ふたつに分けて
      湧いて流れる)
いづみ川   (いづみ川)
いつみきとてか
    (その「いづみ」
     ではないが、
 いつ見たのだろうか?
 いつ会ったのだろうか?)
恋しかるらむ
     (それなのに
  なぜ恋しいのだろうか?)


☆序詞

上の句全体が、下の句の最初の3文字「いつみ」を引き出す序詞


☆歌枕

「みかの原」は、「瓶原」と書き、
京都府の南部、奈良県との境に近い木津川の流域で、
京都府相楽郡加茂町の辺りだそうです。
(2007年3月12日、山城町、木津町と合併し木津川市となった
 最寄り駅:JR関西本線加茂駅)


☆文法解説

4句:いつみきとてか
「いつみきとてか」の「いつみ」は「何時見」と書きます。

「いつ見たのだろうか?」という意味です。

5句:恋しかるらむ
  「か」係助詞
  +推量の助動詞「らむ」
    の連体形




☆鑑賞

会ったわけでもない・姿を見たわけでもない・写真なんてもちろん無い。

それなのに、「とても美しい女性で、優しく、和歌や琴が上手」と、

噂話だけで恋してしまった中納言兼輔は、想像力豊かな男性だったのでしょうね。


☆出典

『新古今集』恋・996


★関連動画





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