経営者のキャリア形成
こんにちは、縄文アソシエイツのnote担当です。今日は、将来経営者を目指している、または何となく興味がある方に向けて、リーダーの資質や条件もいいけど、普段どんな心持ち、態度、動きを心がけると、将来経営者になるチャンスが増えるでしょうか?という話になります。
ちなみに、根拠は何でしょうか?という質問には、私たちも大学の教授ではないので統計的にデータを取っているわけではありません。ただ、縄文アソシエイツも創業してから既に30年近いこともあり、普段のエグゼクティブサーチ(ヘッドハンティング)の業務を通じて、現在、既に経営者などのリーダーになっている方たち、または既に一線を引いた方たちも含めて、過去からの付き合いの長さには自信があります。そういった年を経て経営者、リーダーになった方たちが、その5~15年前の若い頃はどんな感じだったかを少しでも語れればと思います。
① 自分の中に軸がある
そういった方たちの若いころの特徴として、世の中の常識がどうとか、周囲の評判とかとは別に、自分の中に、いろいろな判断基準になるような軸、確固たる信念の萌芽が見えていることが多い気がします。
これは、頭が固いとか、こだわりが激しいという意味ではなく、物事の95%以上は周囲とも上手に合わせていくことが出来るものの、残りの数%のことに対して、周囲の人が驚くような探求心、本質を追求する側面を見せ、果断な決断力を見せることがあります。ある種、周囲の流れに乗るときと、とことんまで拘るときと、メリハリが効いている感じでしょうか。
② 忙しいとは基本言わない
これは不思議なのですが、そういう将来経営者、リーダーになる方ほど、忙しいという表現を使わない印象です。マルチタスクが上手なのか、息の抜き方が上手なのか、傍から見て忙しくないことはありえない方でも、メールのレスポンス、声を掛けられたときの態度は、とてもオープンで、声を掛けづらいということが起きないようにしている印象です。
実態は、本当に何でもやっていたらパンクしてしまいますし、実際に予定を調整すると1か月以上先になってしまうなど本当は忙しいことは間違いないのですが、Yes, butではないですが、まずは話を聞いてから、それとなく優先度に基づいてスケジュールなどをコントロールするのが上手なのでしょう。
③ ある種の自責思考。人への敬意を大事にしている
これも当然と言えば当然かもしれませんが、そういう将来経営者になった方は、仮に口だけだとしても、上手く行かなかったことに対して、自分に責任があるという言動、態度を明確にしますし、他者を非難する言動はとても少ない印象です。
これは、まずは自分に足らないところがあったとして、自らの中で更なる成長を目指していく態度がないと、若いうちから優秀であっても、成長はそこ止まりになってしまうということと、周囲もそんな人にはついていかないという現実から来るものだと思います。また、目の前の責任と向き合い続けることでしか、リーダーの孤独、重圧に耐える力が伸びないということもあるのかもしれません。
④ ある種の知性を磨く
将来経営者、リーダーとなった方たちの若いころを見ると、皆勉強熱心であったことに気づきます。これは、学歴の話ではなく、大学や大学院を卒業しても、読書であったり、知識や見識がある人たちと交わることで、生涯学ぶことを止めなかったという意味合いになります。
読書についても、資格マニアではないので、単純な知識の積み重ねに終わらず、目的意識を持って読むことが大事そうです。過去の古典を尋ねることで、自らの成長に繋げようとしたり、マクロに経済や社会、歴史を学ぶことであったり、乱暴な言い方かもしれませんが、売れ筋のビジネス本だけを読んでいる方よりは、古典、名著をメインに、一部ビジネス本も読んでいる方が、将来経営者になった方には多かった印象です。
⑤ 無名有力、有名無力
これは安岡正篤氏の有名な言葉ですが、セルフブランディングや自分の知名度を上げようとすることは、名誉欲は満たしやすいですが、どうしてもインプットや地道な成果を上げることとは相性が良くないようです。理想はバランスなのですが、その天秤が容易に名誉欲や承認欲求の側に傾くケースは数多く見てきている立場からすると、基本は、迷ったら外への露出は最小限にして、どうしても断れないものに絞るというのが良さそうです。
若いうちに、名誉欲、承認欲求に溺れないようにするということは、意外と大事なことで、若いうちにはその手の話に触れておいた方が年を取ってからハマらないという説もあるようですが、このSNS時代、若いうちの過ちが一生とやかく言われる時代でもあります。そう考えると、昔の人以上に、今は知名度を先行させ過ぎない方が良さそうです。
ちなみに、経営者になるためには転職をした方がいいでしょうか?という質問は時々いただきますが、これは正直人に寄ります。上記で書いたような5つを担保できるような環境であれば現職に邁進した方がいいと思いますし、それが叶わない環境であれば外も考えるということでいいのではないでしょうか?
上記5つ挙げさせていただきましたが、縄文でもコンサルごとに少しずつ意見は違うと思いますので、縄文のコンサルタントに会う機会があれば、興味があれば、是非、経営者のキャリア形成、ひとかどの人物、リーダーになるためにはどうすればいいでしょう?と聞いてみてください。各自のコンサルタント想い、考えを聞けると思います!