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酒漬けだった俺が、想像もできなかった未来を掴むまで


酒に溺れていたあの日々

10年前の28歳だった俺は、完全に酒に支配されていた。

朝起きて真っ先に手に取るのは缶酎ハイ。昼にも隠れて缶酎ハイをあおり、夜も家で焼酎で締める。そんな生活を繰り返していた。飲みすぎて記憶をなくし、恋人との約束をすっぽかすこともしばしばだった。

「もう一緒にいられない」

彼女がそう言って家を出ていった日、俺はショックを受けるどころか、さらに酒に逃げ込んだ。酒を飲んでいれば、失ったものや自分の情けなさを考えなくて済むからだ。

体の感覚も、感情も思考も心も全部マヒする。気持ちいいのか気持ち悪いのかもわからないが。

仕事も同じだ。最初は多少のミスがあっても周りがフォローしてくれていたが、酒の影響で次第に業務が回らなくなり、職場からも信用を失った。


結局、鬱で出勤することもできなくなり、退職に追い込まれた。

恋人を失い、仕事を失い、自分自身をも失った。

とどめには母親も亡くした。

どん底だ。

俺は完全に孤独だった。日々の飲酒が体を蝕み、精神的にはうつ病の診断を受けるほど追い詰められていた。

「このままじゃ俺の人生終わる」

ある朝、俺は鏡に映った自分の姿に衝撃を受けた。

むくんだ顔、くすんだ肌、たるんだ腹…。

「これが自分なのか?」

「昔の友人たちが楽しそうに家族を築いている中、俺は何をしているんだ?」ともう一人の自分が自分に尋ねる。

虚しさが押し寄せ、心の奥底から「このままじゃダメだ」という声が聞こえた。

それが、俺にとっての転機だった。

断酒への第一歩

正直に言うと、最初の1週間は地獄だった。

頭痛やイライラがひどくて、「酒をやめるなんて無理だ」と何度も思った。
お酒を飲んだら、結局元に戻る。一生酒を辞めるなんて無理。
そういう情報も頭をよぎっていた。

1週間程度の禁酒を続けてはやめ、続けてはやめそれをずっと最初は続けていた。

そこから何とかネットで断酒の成功体験を読んだり、応援してくれる人の存在を感じたりして、なんとか踏みとどまった。

その時の俺を支えたのは、かつての恋人や仕事仲間への罪悪感だった。「もう一度だけ信じてもらえる自分になりたい」と必死だった。

あと一つ願いがあるなら…

「もう少し、自分で自分の事を好きになりたい」

断酒が生んだ変化

何度も断酒を試みてるうちに、断酒を1ヶ月続けれるようになった。
その時、体にも心にも驚くほどの変化が現れた。

■ 健康の回復

まず、朝起きた時の体の軽さに感動した。断酒前は常にだるく、昼過ぎまで酒が抜けない状態だったが、それが嘘のようにスッキリしていた。肌もきれいになり、顔のむくみが消えた。何より、運動を始める気力が湧いた。

ウォーキングから始めた運動が徐々にランニングになり、いつしかジムに通うようになった。顔が引き締まり、健康を取り戻すことで自信がついてきた。

■ 心の回復

うつ病の症状も、酒をやめたことで少しずつ改善された。酒を飲んで自分を責めるループから解放されると、「まだ人生を取り戻せる」と思えるようになった。

新しい未来へ

断酒が完全に続いた今、思い切って環境を変える決断をした。長年住み慣れた東京を離れ、地元の福岡に移住することにしたのだ。

これには勇気がいったが、心機一転、再スタートを切りたいという思いが強かった。

福岡では、フリーランスとして働く道を選んだ。

最初は小さな案件からだったが、コツコツと信頼を積み重ねることで、少しずつ安定した仕事が入るようになった。

そして、同じ志を持つ仕事仲間とも出会えた。「自分を信じてくれる人がいる」という感覚は、何よりの励みになった。

想像もできなかった未来

今では、毎日が驚くほど充実している。

酒を飲んでた時、感じることができなかったささいな幸せたち。

朝日を浴びて、散歩できること。
食欲がわいて、ご飯を食べられること。
鏡の前の健康的になった自分をみれること。
本を読む習慣を持てるようになったこと。
過去のつらい話を笑い話にできること。

断酒のおかげで健康を手に入れ、仕事もプライベートも安定した。
「酒をやめる」という決断が、これほどまでに自分の人生を好転させるとは想像もしていなかった。

■ 幸せの実感

かつては「酒がないと生きていけない」「酒が生きがい」と思っていた俺が、今では「酒がないからこそ幸せだ」と言える。

この幸せは、他人の評価や物質的なものではなく、自分自身が感じる満足感だ。

■ 大切な仲間

断酒を通じて得た仕事仲間は、俺の人生を豊かにしてくれる存在だ。彼らと過ごす時間は、酒に頼らない本当の楽しさを教えてくれる。

あなたに伝えたいこと

この記事を読んでいるあなたが、もし酒に悩み、未来に希望が持てないと感じているなら、ぜひ断酒という選択肢を考えてみてほしい。

酒をやめることは簡単ではない。でも、その先には想像もできない未来が待っている。俺がそうだったように、あなたにもきっと、手に入れるべき「新しい人生」があるはずだ。

一歩を踏み出せば、未来は必ず変わる。今、ここから始めよう。

#想像していなかった未来

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意識ぶっ飛んでる系ライター@中島幸慈
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