苦手なカレーが特別な日に変わる息子の成長
あなたは、カレーお好きですか?
カレー味だったらなんでも食べれる!
カレーが出ると何倍も食べちゃう
どこからか、カレーのにおいがしてきたら、すっごく食べたくなる
あ〜も〜、カレーは飲み物だ
カレーが好きな人は多いのかもしれない。
でも、うちの6歳の息子はカレーが嫌いだった。
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息子が通っている園は、ほぼ毎日給食。
カレーは月に1.2回ほど出る。
でも、ちょっと特別な日に出ることが多い。
学期ごとの、給食が始まるときと、終わるとき。
こどもの日や敬老の日、お別れ会など。
子どもはカレーが好き。
カレーが出ると喜ぶ。
家でもよく食べているだろう。
そんな配慮からだろう。
「やったー!」と子どもたちが喜ぶ声がたくさん聞こえてきそう。
でも、息子はカレーが嫌いだった。
「明日はカレーだよ」
前の日に、心構えできるよう伝えていた。
「えー、ぼく食べれん..,」
息子がカレーのルーをかけず、白いご飯をちびちび食べる姿しか想像できなかった。
息子は、年少のとき、毎日着ていく体操服を着なかった。
担任の先生を通して、毎月園に来られる子育て相談ができるカウンセリングの先生が、息子の様子をみて"感覚過敏"なのではないかといわれた。
ちょっと母親って、そう言われても受け入れにくいところがある。
そうじゃないってところを、頭の中で探しまわる。
生活にもあまり支障がないから、気にしないようにしていた。
でも、そうなのかなと思うこともあった。
手が汚れることが苦手で、手づかみはあまりしない。
手も口もいつもきれいに食べる。
汚れたらすぐ拭く。
なんなら、手を洗うときに水がつくのも嫌ですぐ拭く。
海や川に行っても、砂に触れると嫌な顔をして、泥遊びなんか、絶対しない。
においに関しても、カレーを含め食べたことのないものは、鼻をつまんで「うえ」という。
カレーを食べない理由も感覚過敏なところがあるからなのだろうか。
どう向き合っていこうか悩んだ。
でも、カレーを食べないのは、母親の私がいけなかったと思うことも。
息子が、入園(年少)する前までのことだ。
私が下の娘の授乳中、私自身が食べたものに刺激物が多いと、美味しくないと聞いたことがあった。食べるものを気にして、カレーは作らなかった。
刺激物でもあり、息子はまだ食べなくてもいいかなぁと曖昧な判断で、食べる機会を奪っていた。
私はどこからかの合っている間違っているかわからない情報を信じ、ガチガチな頭だったのだ。
でも、幼稚園に入園して慣れない園での初めての給食。見たことも、におったこともほとんどないカレーが出てきても食べられるわけがない。給食がはじまる前に、慌てて家でカレーを出した。
でも、息子は1口食べてはみるが、嫌な顔して、それ以降食べることを拒否した。
ああ〜、私の作るカレーが美味しくなかったのかも。やっちゃったなぁ。
今までも新しい食べ物に抵抗があったため、想像はできていた。
でも、今カレーが食べられなくても、そのうち食べられるようになるかなと思い、楽しく食べることができたらと、無理強いはしなかった。
園でカレーを食べることなく2年が過ぎた。
今年度から息子は年長になった。1年後は1年生。少しずつ苦手をものを克服しなければ、本人がしんどいと思った。
給食も、小学校では今のように残しても大丈夫なのかわからない。
好き嫌いが多いけれど、食べることは好きな息子。でも、学校での環境から、もしかしたら、食べることが嫌になるかもしれない。
そんな心配事も出てきた。
野菜は、少しだけなら口にすることもあった。
でも、カレーはにおいもダメで、鼻をつまんで食べることはなかった。
カレーくらいと思うかもしれない。
でも、息子にとっても、カレーの日が楽しみで特別な日にしてあげたかった。
その後、園と家庭との連携がはじまった。
先生と保護者がやりとりできる連絡帳を通して、園と家庭での様子を伝えあった。
家では、
カレーを一緒に作ってみる。
大人が美味しそうに食べる。
「食べてみる?」と誘う。
食べなかった。
園では、
小皿にカレーのルーを小さなお皿に出してみる。
繰り返し、繰り返し誘う。
すると園で、先生がスプーンですくったものをひと舐めできた!
先生が無理強いせず、繰り返し繰り返しかかわってくださったからだと思う。
家でも同じようにやってみた。
すると初めて舐めてくれた!
でも、2回目以降は無理だった。
園でも、1舐めが限界だった。
それでも、園でも家でも繰り返し繰り返し...
そんなとき、園でじゃがいも掘りに行き、みんなでカレーを作って食べることになった。
お昼はカレーしか出ない。
それまでも、カレーの日は白ごはんしか食べなかった息子。
この日は食べることができることを願った。
カレー作りの日がきた。
園から帰ってきた息子に、
「カレー食べたん?」
と聞くと、
「3回おかわりしたよ!ハチミツとりんごのテレビにも出てたカレーよ!」と。
"食べることができた"とわかって、うれしかった。
克服できたんだ。
家ではがんばっても食べてもらえなかったのに、やっぱり幼稚園でのみんなの力はすごい!
と思った。
でも、息子の言葉を信じてはいたものの、100%ではなかった。
量は少なくしてくれていたのだろうと。
すると、その日の夕方、担任の先生から電話がかかってきた。
きっと、カレーのことだ!
保育士をしていたのもあって、その日のうちに伝えると良いことも知っていたため想像できた。
でも、先生の声は、私の想像を超えたうれしさいっぱいの弾むような声だった。
「今日〇〇くん(息子の名前)カレー食べたんですよ!母の会のお母さんがカレーをいっぱい入れて〜、どうするかなって見てたら、いつの間にか食べてて!最後ルーをスプーンできれいに集めて2回おかわりしたんですよ!母の会のお母さんや園長先生にも〇〇くん(息子の名前)がカレー嫌いなことを伝えていたので、みんなに褒めてもらったんですよ♪」
息子がみんなに囲まれて、ピカピカのお皿を持ってうれしそうに笑っている姿が目に浮かんだ。
良かった、
本当に食べたんだ。
先生とも、息子の成長を一緒に喜ぶことができてうれしかった。
その日のうちに電話をいただけたこと、
丁寧にかかわってくださったこと、
みんなが息子のことを見守ってくださっていたこと、
感謝の気持ちでいっぱいになった。
自分で掘ったじゃがいもを
友だちと一緒に、カレーを作り、
みんなと一緒に食べたカレーは、
どんなに美味しかったことだろう。
息子はその日の夜
「明日もカレーがいい!」
「バーモ(ンド)カレー買ってきて!」(どうやら、園のがりんごとハチミツのバーモンドカレーで作ったらしい)
といってきた。
翌日、バーモンドカレーのルーを入れたカレーを一緒に作った。
そして、6/26、息子が生まれて、5年268日目。
初めて、お家でカレーを美味しく食べることができた。
「明日はカレーの日だよ」
心構えのためではなくなった。
「ぼく、食べれるよ♪」
あの日が息子にとっても自信となり、
カレーの日は息子にとっても、私にとっても、
楽しみで特別な日になった。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
息子はカレー以外にも、好き嫌いが多いです。
母親の私のせいなのかなと思うことが多々あります。
でも、これを機に自信となって、息子は少しずつ他の食材にも挑戦するようになりました。
息子の姿が、好き嫌いが多いお子さんをもつママパパの励みになったらうれしいなと思います。
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