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ChatGPTを授業に活用する。社会科編
はじめに
今日は、授業でのChatGPTの活用を、社会科の授業でも試みた経験についてお話しします。
単元は、4年生の社会科、「水はどこから」です。この単元の単元は次のようになります。
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単元の説明
上水道の部分では、飲料水供給事業を焦点に据え、その供給メカニズムやルートについて、地域内外の協力を含めて調査します。見学や地図といった資料を通じて、地域間の連携や時期による変化を関連付けて考察します。飲料水の供給が安全かつ安定して実施され、地域社会の健康維持と向上にどのように貢献しているかを理解することを目指します。
一方、下水道の部分では、使用済み水の処理と自然への返却方法を理解します。安全な処理がどのように推進され、これが地域社会の健康維持と向上にどう影響しているかを理解することを目指します。
これ以外に、水の循環と水源を守る取り組みについても理解することを目指します。
社会科の授業でChatGPTを活用する方法を考える。
社会科の授業での活用方法はたくさんあります。以前にやった新聞の原稿づくりや、歴史についての情報をインターネットから集めて、まとめてもらうというものも考えられるでしょう。けれど私は、これを社会科の単元発表に生かせないかと考えました。
割と難しい単元のまとめ発表
発表の目的は、各自が学んだ知識を整理し、他のクラスメイトに共有することです。この学習発表、かなり大変で少なくとも3つの要素が組み合わさっています。
その3つとは、
①学習したことを整理する。
②模造紙またはスライドにまとめる。
③わかりやすく発表する。
この3つのこと、普通に学習を進めれば①は達成できるので、あと②③だけになるのですが、これを知的に低い児童がやるとなると、かなりハードルが上がります。
それこそ、発表とは何かを1から教えなくてはならないことも考えられます。
もちろんグループで考えるという方法も取れますが、やはり、他の子が何度も教えてもできないその子に対する不満を持つことにつながってしまい結果的に勉強より大切な、人間関係にひびを入れてしまいかねません。そんな勉強を楽しいと感じられるわけないですよね。そこで、ChatGPTには③の発表原稿を考えてもらうようにしようと思います。
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使用例:「水がとどくまで」の発表原稿を考える。
では、ChatGPTを使用して発表原稿を考えてもらいます。今回はCちゃんの例を挙げて紹介をしていきます。
事前に発表の見本を示し、何をどのように発表するのかの見通しを持たせる努力をしました。しかし、Cちゃんにとっては、発表の原稿を一から考えることが難しかったようです。発表に対する不安や、情報整理の技術不足が原因と考えられました。
そこで、ChatGPTを導入し支援をしてもらいます。Cちゃんには、伝えたいことを考えてもらい、ChatGPTに入力してもらいます。それに基づいて発表の原稿を作成するという支援を考えました。
入力した内容が以下のようになります。
①タイトル「水がとどくまで」についての説明を考えてください。説明は小学生向けに、A山に降った雨が地下水になり、それが水源地の深井戸でくみ上げられて、配水池に送られ、学校や家庭に届くという説明でお願いします。
では、発表原稿にしてもらいます。
もちろんです。タイトル「水がとどくまで」について、A山から学校や家庭に水が届く過程を簡単に説明する原稿を作成します。小学生向けに分かりやすくまとめてみました。
タイトル: 私たちに水がとどくまで
はじめに
こんにちは、みんな!今日は、水がどうやって届くのかについてお話しします。
A山と地下水
A山に降った雨水が地下に染み込んで、地下水になるんだよ。
この地下水は、B市に住む私たちの大切な水源なんだ。
深井戸でくみ上げ
この地下水は、「水源地」と呼ばれる特別な場所での深井戸でくみ上げられるんだ。
深井戸は地下深くに掘られた井戸で、ここできれいな地下水を取り出すことができる。
配水池へ送る
深井戸でくみ上げた水は、次に「配水池」に送られるよ。
配水池は大きなタンクで、ここで一時的に水を貯めておく場所なんだ。
学校や家庭に届く
最後に、この配水池から学校や家庭に水が送られてくるんだよ。
つまり、水道の蛇口を開けると出てくる水は、遠くのA山から来ているんだ。
おわりに
みんなが毎日使っている水が、こんなにも長い道のりを経て届いているんだよ。
水はとても大切な資源なので、無駄にしないようにしようね。
この元原稿を使って、Cちゃんは自分の言葉で発表の原稿を作成することができました。(とても喜んでいました。)そして、発表の日には自信を持ってクラスの前で発表することができました。
成果と課題
今回の成果としてChatGPTは、自分の言葉で知識を整理し、表現する力を育む素晴らしいツールであることが分かりました。
しかし、課題もあります。それは、同じクラスで自力で取り組んでいる他の子たちです。自分が苦労してできたことを、CちゃんはChatGPTを使ってやったとわかったら「ずるだ!」といって当然です。そのため、他の子の理解が大切になると思います。
ただ、子供なのでいくら説明しても文句は出るでしょう。まだまだ子供に使用させるには早いですね。
まだまだ、環境づくりが大切だと思います。Cちゃんのような子がずるだといわれずに使用できる環境が整えば、もっと勉強が楽しくなるのにな。と思います
みなさんは、どう思いますかご意見をお願いします。
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