機体紹介 押し出シールドについて
唐突に始まったかわロボadventカレンダー企画の投稿です。
みんな色々書いてくれるんで、自分は誰も書かないであろう記事にしようかなあと。
今回はまだマイナーなアームである、押し出シールド機体の紹介とそのルーツについて書いていきたいと思います。
押し出シールドとは何ぞや
通常のシールドやロッド機体と異なり、リンクを用いて相手を斜め前にリフトアップし、場外への押し出しを狙ったアームとなります。
相手を押し出すこと、どついて体勢を崩すことに特化しています。
後部の従動リンク長めに確保することで復帰も可能で、スタート時の姿勢補助の役目もあります。
以前はともかく、現代のかわロボでは多くの機体が復帰機構を備えており、多くの決着のケースが場外への落下です。
また、制作した当時は横回転機体も猛威を振るい始めていたころで、特に復帰の上下動を備えたものに対しては、鎌をシールド等で跳ね上げてもまた下に落ちてきてしまう、よしんば倒せたとしても復帰してきます。
それらに対して、広い面積でガードしつつ、斜め後ろに押すような軌道により相手の場外を狙うということを狙い作成しました。
試合動画の一部切り抜きがこちら
(編集ソフトとか素材整ったらそのうち追加するかも)
特徴 メリットデメリット等
特徴として相手を場外に押し出す軌跡の為、復帰させづらいという点があります。また、機体の脚で前進する入力と、アームを上げるタイミングをうまく合わせることで威力を合わせて増加できる点があります。
アームの威力と脚のスピードをうまく合わせることができれば一撃で決着をつけることも可能。
また、通常のシールドやロッドアームで相手に深く入りすぎて、投げようとしたら相手の下を通り抜けて自分が場外に出てしまった… なんてことはありませんか? (私はあります…
このアームなら斜め後ろに伸びる軌跡によりそのような状態はまずありません。
さらに、大きいシールドやフルクロスを装備しすることで、横回転の鎌への大幅な防御が可能です。
鎌自体をシールドの正中で捉えておけば上で回されても引っ掛かりづらくアドバンテージを取ることができ、うまく鎌ごと相手を突き上げれば相手を後ろにノックバックさせて場外を狙うことも。
転倒スタートに対しても後部の脚と後部のリンクで立たせることで安定した倒立が可能です。
アームを少し下げる方向に入力することで確実な転倒が可能ですので、大型機体を作りたいけど転倒が苦手…という人にもおすすめです!本大会の決勝戦で倒立できなくて敗北した人間が言うんだから間違いないっすよ
デメリットですが
相手を場外に押し出すことのみに特化、つまりリング内でのダウンや10カウントを想定していないため、ある程度良い足回りの機動力や立ち回りを要求されます。(脚が鈍いと相手を後ろに押すだけなんでまず勝てません)
また、復帰の際にアームを上げる→下げるの2動作が必要となるため、復帰が遅いというデメリットもあります。
他にも、横回転以外に得意な機体があまりいないという特徴や
使ってみた際に感じた対策や弱点など色々とあるのですがこれ以上は書きません… あんまりネガティブなこと書きすぎると誰も作らなくなるので。
そのルーツと呼び名について
もともとは私の大学時代の同期が、かわさきロボットとは別の競技大会、BRAVEで採用したBad Dreamという機体のアームが原型となっています。
第12、13回のBRAVEで猛威を振るったアームで、当時はその低い車体と制圧力の高さで大暴れし優勝しております。
BRAVEの詳しい内容は下記リンク参照
さらに原型はアメリカのロボット競技バトルボッツの機体を参考にしたとかなんとか…
数年後、かわロボに転用し、初めて製作したのが次で紹介する白鯨となります。
かわロボのアームとしては過去にそれらしい種類がいなかったのでなんかいい呼び名がないかと思い、ルーツのバッドドリームにちなみ”BDアーム”と呼ぼうとしたのですが周りから
・わかりづらい ・語呂が悪い ・微妙
等々ボコボコに言われたので公募してみたら
”つっぱりアーム” ”どすこいアーム” ”押出しアーム” 等々の案がでましたが、
最終的にわかりやすさと語呂の良さから”押し出シールド”を採用しました。
ロッド付けたらどうするかって? 細けえことはいいんだよ
回転シールドだってもはやアングル(以下自主規制
白鯨(ハクゲイ)2016年10月頃製作
【スペック】
全長640mm 幅320mm 全高165mm
アームギア比283:1 モーター3発
脚回り:3層カムヘッケンリンク
モーター左右 各2発 ギア比31.5:1 ベルト伝達
ホイールベース 247mm カム半径10mm カム中心から地面60mm
初めて製作した押し出シールド機体となります。
シールド上部に大型のフルクロスを装着可能で、当時はかなりの数の横回転機を狩ることができました。
当時はサスペンションは後ろ脚のみでした。相手を突き上げる際に沈み込んで衝撃を吸収してしまうと考えたからです。
当時の小型機と同じ脚をベースにしていたので、走破性とスピードの改良点等が残りました。
雪崩(ナダレ) 2018年11月頃製作
【スペック】
全長620mm 幅340mm 全高165mm
アームギア比265:1 モーター3発
脚回り:4層ヘッケンリンク
モーター左右 各2発 ギア比35:1 ベルト伝達
ホイールベース 234mm リンク半径17.5mm カム中心から地面80mm
白鯨をベースに改良した機体
主な改良点は
・アームのリンク部品構成を見直し、よりスマートに
・後ろ2サス→前後4サスに変更
・脚を高さ60→80に大型化 3層カム→4層クランクに変更
これらにより大幅な機体速度、走破性が向上しました。
前にサスを入れたことでアーム稼働時の多少沈み込むデメリットはありますが、それ以上に突撃力が向上したので私的には入れて良かったなと。
ですが相変わらず横回転以外に対しての決めに欠けた為、次回の本大会での実戦投入時には換装ユニットでカバーすることにしました。
リバイブ 2019年6月頃製作
主なスペックは白鯨とほぼ同じですが改良点は
・足回りをベルト→ギア伝達にし動作性の向上
・外側に配置していたモーターを内側に収め防護
・互換性を持たせ、横回転と押し出シールドの換装ユニットにし互いの弱点をカバー
となっています。
2つのユニットを簡単に交換できる仕様にし、
相手が横回転の際は押し出シールド
相手がそれ以外のタイプの時は横回転
という運用となっていました。
(横回転のスペックは割愛)
2019年の本大会ではベスト6という結果でした。なお本大会では横回転と当たなかった為押し出シールドは未使用…
最後に
押し出シールドですが、布教のかいがあってか他にも製作者がちらほらと出てくるようになってきましたが、まだまだ数も少ないマイナーなアームです。
つまり改良しつくされた既存のアームとは違う、これから改良や開拓できるとことがまだまだある、無限の可能性を秘めたアームといえるのではないでしょうか。
良し悪し等はありますが、是非自分の手で作ってみて体感し、この先を開拓していってくれる方をお待ちしております。
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