ep1 村境(Murazakai)を繋げようと思った経緯
大和一周トレイル(大和 Traditional Trail)
そもそもダイエットで始めた山登り。登りは呼吸が早まり苦しく汗だく。そんな中、時々見かけた山を駈ける人達。正直ちょっと変な人達だと思っていました。
ある日、奈良県と大阪府の間に横たわるダイヤモンドトレイルを二上山から葛城山に向かって歩いていた時、1人のトレイルランナーと話す機会がありました。涼しい顔をして岩橋山を登ってきた彼はその先20キロがゴールだと言う。
丁度その頃、ダイエットも成功しつつあった自分は、さらに身体を絞りたいと思っていました。シューズ、ザック、ウェア、トレーニングなどトレイルランニングの楽しさを沢山話してくれた彼は、再び軽やかに走って行ったのでした。
これをきっかけにトレイルランニングに興味が沸き立ち、自分もちょっと走ってみよう。そう思ってから沼にハマりました。
最初は近隣の山々を走り始め、徐々に移動する距離が伸びていきました。この頃は単独で出かける事が多く、特に目標も無くただ身体が強くなるのを喜んでいました。
そんな中、不意にロングトレイルに興味を持ち、いつかは100マイルレースを走ってみたいという目標が出来ました。しかし、遠方に行く必要があったり、大きなレースはポイントを取得する必要があったりと、レースに拘らず、もう少し身近に100マイルのコースが無いものかと考えるようになりました。
そこで目に入ったのが京都一周トレイル。当時のUTMFも富士山を一周するし、奈良盆地も一周できるのでは無いか?そう思い始めました。
2017年2月に大和平野周囲のトレイルを繋ぎ始め、2017年11月に一周チャレンジをするも、タイムオーバーで断念。2019年4月に再挑戦し、コンプリートする事が出来ました。ルートを繋ぎつつ、山に行く仲間がどんどん増えて行き、同志が集まり大和traditional trail(YTT)を立ち上げイベントを行うまでになりました。
ところが、コロナ禍が始まり、それと同時に私自身肺病を患う事になってしまいました。間質性肺炎を発症し、呼吸の苦しい日々は精神力も削りました。動けなくなり弱っていく自らの身体を感じながら、もう二度と走れないと思い完全に塞ぎ込んでしまいました。以前の様に意欲も湧かず、プライベートも上手くいかなくなってしまい、コロナ禍は負の連鎖でした。
友人のチャレンジ
幸い私の病状は急激な悪化をするものでは無く、当初に比べて症状も随分緩和されました。以前の様にハードなトレーニングは出来ないものの、ジョギングや登山を楽しめるまで回復しました。
十津川村の村境を繋ぐ構想は、実はコロナ禍以前からあり、コースもある程度考えておりました。ただ、不明瞭な箇所が多く、殆ど人の入らない山域もあり、体力的な自信も無く中々重い腰が上がりませんでした。
その様な中、私の友人が100マイルレースに挑戦し、サポートとして同行する機会がありました。私自身、鍼灸師・柔道整復師という仕事柄、トレーナーとしてレースを見守りました。そこで見えたのは、目標を持った者の放つ輝きでした。久々に新鮮な感じがして、勇気が湧きました。このまま腐っていても仕方がない。短い人生、楽しみながら前に進もうと考えました。
Murazakaiとは
これは単に村境を一周するだけでは無く、繋ぎ合わせる過程が重要と考えています。大和traditional trailのモットーは『山で繋がろう!』です。私はこれまで道が繋がり、賛同していただいた方々が興味を持って集まり、更にその人達が繋がるという好循環を経験してきました。今まで行ったイベントを振り返ってみても皆さんの笑顔が最高なのです。
Murazakai は日本一大きな村である秘境十津川村を体感出来ます。多くの方が興味を持って訪れる様になれば良いと思います。
私の生まれ故郷である十津川村周囲の総距離は約180Km、累積標高は15000mに達するハードコースとなります。不明瞭な部分もあり、補給箇所もほとんどありません。高低差もかなりあり、中々前に進めないでしょう。
コースチェックは我々の他、橿原市にあるアウトドアショップYosemite の店長も縦走しながら行う予定。「村境やっときましょう!」彼の言葉もまた探索の意欲を後押ししました。
全てのコースが繋がった時には多くの関心も寄せられているかも知れません。分割して進む“セクションハイク”も良し、テン泊しながら一気に走破する“スルーハイク”も良し。皆様の足がトレイルを作ります。
今後、道しるべのデータを残し、後世の方々がチャレンジされるトレイルとなる事を願います。
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