瞬き

雨音が路上に響く。

虚ろな目をして立っている。

何かを失ったわけでもないが、ハートの中を灯してくれていた火が消されたみたいに、妙に冷たい。

もがいても、叫んでも、何もできない己の無力さを痛感して、その感情に浸っているのでもない。

そこにいた己が一瞬で燃えて消える、そんな存在になってしまったみたいに思えてくる、だけ。


儚い一瞬に趣を感じている、時空を超えたみたい。

ほんと、時空を超えたみたい。


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