TDS(濃度)計のメンテナンスと弱点とは…
今回も、少し前のネタで「TDS(濃度)計」と戯れた事案を紹介します。
TDS(濃度)計のメンテナンス
昨年末に、購入してから3年目を経てポケットコーヒー濃度計PAL-COFFEE(TDS)の測定値精度のメーカー検査を受けました。
結果は「正常」でした。
検体を送付して、見積り確認、納品まで2週間程度でした。
修理代は無く運賃、見積手数料、代引手数料、税込で合計¥3,960。
検査中の代替品の用意はされませんので注意が必要です。
TDS(濃度)計の弱点とは…
ハンドドリップ(POUR OVER)でもペーパーレスドリッパー(セラミックやステンレスなど)の抽出液を計る時は困ります。
cores SINGLE CUP GOLD FILTER C211/BREWING DATA
パウダーコントロール(微粉の除去)に「ふるい」を使っても微粉は除去しきれません。
飲み終わりのカップ底に微粉溜まりが見えたり、舌触りで粉っぽいレベルだともうNGです。
プリズム面にコーヒー液を滴下後にTDS値が目まぐるしく変動します。微粉の攪拌やセンサー付近での沈殿で、濃度ムラが顕著に現れます。また、油分の影響もあるかもしれません。
これはマキネッタでも同様です。ただマキネッタのTDS値は大体3,5%前後(Bialetti_Brikkaの場合)もあるので、POUR OVERの感覚で濃度比較するのはどうでしょうか?
対処方1(製品に同梱されている冊子より一部抜粋)
■コーヒー全般
抽出されたコーヒーは、抽出初期と終点時で濃度が違います。軽く撹拌することでコーヒーの濃度が均一になり、安定した測定ができます。
■フレンチプレス抽出
抽出後カップに注ぎ、しばらく静置しカップ中の不溶性固形分が沈殿したころ、表面の油分を避けて測ることで安定した測定ができます。
■エスプレッソ
エスプレッソの場合は、液中の微粉が多くペーパードリップのように安定しません。抽出条件にもよりますが0.5%程度ばらつくことがあります。
■カッピング
カッピング時のスクープアウトは丁寧かつ正確に行ってください。微粉や油分などが多く残ると測定値が安定しない原因になります。
対処方2(その他ペーパーレスドリッパーの場合)
ペーパーフィルターに再度通す、あるいはシリンジフィルター(0.45μm孔径 13mm直径など)を使うなどの方法がネット上に挙げられていますが、いずれもTDS値の低下が予想されます。
個人的には興味本位でアプローチしても良いのですが…
ペーパーレス独特のオイリーさやフレーバー、ダイレクト感などをスポイルしてまでTDS値にこだわる必要性は無いと考えます。
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