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スタートアップ3年目。ようやくフレックスタイム制を導入できた話

はじめてnoteを投稿します!
いつもROM専の私ですが、ボトムアップ型の組織なのにnoteだけはトップダウンで降りてきた…というのは冗談で、Asobicaに入社してからずっと、ずっと導入したいと考えてきた制度がようやく叶ったので、なぜ導入したかったのか、このタイミングで導入が叶った訳など、振り返ってみたいと思います。
今や導入している企業の多いフレックスタイム制ですが、中々導入が叶わない、またはどうして会社は導入してくれないんだろう?と思っている方に届くと嬉しいです。
さて、御品書きはこちらです。


はじめまして(私ってこういう人です)

noteデビューなので、簡単に自己紹介させてください。
新卒で中小のSESに入社(1年半)→IT系上場企業経理(といいつつ、総務も労務もやってました)として12年弱→IPOを目指す会社の経理担当として3年弱→Asobicaジョイン(労務総務担当)として今に至ります。
上場企業のコーポレート部門の業務と、IPOを目指す上での必要事項の両方を実務で経験してきたことが、私の強みかなと思ってます。

どうしてフレックスタイム制を導入したのか

フレックスタイム制導入前の労働時間管理

従来のAsobicaは、10時~19時(うち、1時間休憩)の所定労働時間制でありました。営業時間中は、きちんとお客様と向き合ってほしい。全員が営業時間中は稼働しているという方が、社内コミュニケーションや業務が円滑に進む、という考えからです。
一方で、柔軟な働き方もできるように次のようなルールを設けていました。

  • リモートワークOK(出社必須日数などの制限なし)

  • 時差通勤OK(午前は在宅、午後は移動してオフィスで稼働するなど)

  • 1時間以内の中抜けなら、有給休暇にしなくてOK(1時間超えるなら時間休使ってね)

  • 遅刻、早退控除は月単位で所定労働時間に足りていれば控除しないよ

制度化する事がパフォーマンスの最大化につながる

社員数が増えてくると、必然的に色んな事情を抱えながら働く人が増えてきました。そうなると、『自分は所定労働時間でキッチリ働いているのに…』と考えてしまったり。『自分の都合で中抜けしたり、遅刻や早退するの申し訳ないな…』と思ってしまったり、表面には出てこない不満や遠慮といったマイナス面が出てくることが予想されてきました。
Asobicaのみんなは人が良すぎるほど良いので、表には出てきていませんでしたが、個別に話を聞いてみると、制度としてあるなら活用したい、もっと自分に合った働き方をしたい、と考えている人もいる事が分かってきました。
個人の事情によらない共通の制度とする事で、自分の職務内容、成果の出し方、性格や生活にフィットした働き方を実現でき、個人および組織としてのパフォーマンスを最大化につながると考えました。

『コキャチュウ』精神と協力しあう文化の醸成

フレックスタイム制は、働き方をセルフコントロールする事が必要になる制度です。毎日決まった時間に仕事を強制される(できる)のは、セルフコントロールが苦手な人や、そういうタイプのメンバーを持つマネージャーからすると、マネジメントがし易かったりします。2年前はAsobicaも若手メンバーが中心で、セルフマネジメントという点について不安がぬぐえませんでした。
ですが、個々に事情を抱える人が増えたこと。そして何より、Asobicaが掲げる『コキャチュウ』の精神で、お客様に対してキチンと向き合い、メンバーそれぞれが協力しあう文化が醸成されている事で、フレックスタイム制の導入に舵を切る事ができたと思っています。

フレックスタイム制の利点(労務担当者目線)

時間外労働時間を月単位でコントロールできる

個人の働き方の自由によるパフォーマンスの最大化を目的としましたが、やはり労務担当者としては、時間外労働について触れざるを得ません。働き方の自由度UPだけをアピールして、これに触れないのは違うかなと。
Asobicaにおいては、遅刻早退控除の計算を月単位としたので、従業員にとってはフレックスにしても影響はありませんでした。欠勤も1日単位ではなく、所定労働時間に足りていれば控除されない、というくらいでしょうか。
一方で、時間外労働時間の考え方は明確に異なります。

所定労働時間制における時間外労働時間の考え方

上の図は、所定労働時間制における時間外労働時間の考え方です。
❶+❷が、休日労働時間を除く時間外労働時間であり、月45時間を超えることができるのは、年6回までという制限があります。
❸を足すと、休日労働時間を含む時間外労働時間になり、これは月最大100時間までとなっています。

一方、フレックスタイム制においては月単位の実労働時間で計算されます。1日単位、週単位では時間外労働時間として計算されません。
前半ハードワークだった場合、後半を所定労働時間よりも短く稼働すれば、時間外労働時間を減らすことができます。所定労働時間制の場合は増えはしても減らせませんでした。これが大きな違いです。

残業時間=法定外時間外労働とならない

残業時間=法定外時間外労働とならない事もメリットの一つです。

Asobicaでは、清算期間を1ヵ月、週の法定労働時間数は40時間となっていますので、この時間を超えた実労働時間が、時間外労働時間となります。
所定労働時間はカレンダー事の営業日数によるので、所定労働時間を超えた部分は残業になりますが、残業時間=法定時間外労働時間とならず、所定労働時間制よりも働く事のできる時間数が長くなります。
この点、決して、長時間労働を推奨しているわけではありません。一方で、スタートアップにおいては、カオスな環境に成長機会が存在し、自分の成長のためにハードワークしたい!という思いのメンバーも存在します。(特に創業期のメンバーにその傾向が強い気がします。)
労働の生産性にフォーカスしつつ、一方で自分の成長のためにハードワークできる選択肢もある。このようなニーズに柔軟に対応できることもフレックスタイム制の利点でもあると思います。(当然、36協定や労基法の遵守は前提ですが)。

Asobicaのフレックスタイム制度

ここからは、Asobicaがフレックスタイム制の目的を「個人及び組織のパフォーマンスの最大化」に位置付けるにあたり定めた運用ルールについて書こうと思います。
メンバーへの信頼の結果、導入したとはいえ、今後どんどん新しい社員は増えていきますし、全員が全員、同じセルフマネジメントレベルを持っているかというと、そうではありません。人によって「当たり前」の基準は異なりますし、自由だからこその規律や成果への責任があってしかるべきだと思います。
そこで、3つの約束を設けました。

3つの約束① 19時(当社営業時間)より前に帰る場合は、関係者に共有すること

まず、これは「許可を得る」のではありません。フレキシブルタイム中であれば、会社の営業時間よりも前に退勤する事は個人の裁量に委ねられています。一方で、仕事は一人で行っているものではありません。『自分はこの時間にいないよー』と共有することで、他のメンバーはそれを念頭に入れた動き方ができるようになります。

3つの約束② 全社員参加必須の会議やイベントは、参加必須

コアタイムは特に業務の集中する時間帯にしていますので、必然的に会議をセットしにくい時間帯になります。全社員参加型のイベントや会議は、開催時間も長くなるので一層コアタイムに限定するには無理があります。
一方で、全員が集まる機会というのは貴重であり、スタートアップという一艘の船をみんなで力を合わせて漕ぎ進めていくためにも、みんなに参加して貰いたいと思っています。
そのため、コアタイム外に設定されたものであっても、参加必須とされたものはやむを得ない事情がある場合を除き必須(業務上必要なものである)としました。

3つの約束③ 常態的に基本時間をずらす場合は、必ず上長に相談する。

業務のアサインをする上で、特定の時間帯に不在となる事を理解しておかないと、無理なアサインをしてしまったり、或いは必要な考慮ができなかったりと、お互いが不幸になってしまいます。また、フレックスタイム制の導入目的は個人の事情もそうですが、それを加味しながら組織としてのパフォーマンスも最大化することにあります。自分の働き方が、個人および組織として成果に結びつかない、或いは低下を招くという事であれば、それは働き方の自由に対して、成果という責任を為していないという事になります。
特に若手メンバーは自分自身が想定できる範囲にも限界がありますので、上長に相談する、という形をとりました。

終わりに

Asobicaは、今年8月1日からフレックスタイム制を導入しましたが、まだまだ探り探りの状態です。フレックスタイム制で働く事が初めてであるメンバーもいますし、「早めに帰っても大丈夫かな…?」と、まだ周囲の様子を見ている様子も見受けられます。
プラスの効果を狙って導入しましたが、マイナス面が出てくる事もあると思います。
導入して終わり!!・・・ではなく、今後も個人の事情や働き方に柔軟に対応しつつ、組織としても良い成果を生む仕組みへのバージョンアップを続けていきたいと思います。
この記事が、スタートアップ界隈やフレックスタイム制を導入したいけど進められない、という方の一助になれば幸いです。


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